『DAYS JAPAN 2011-8』
広河隆一・編/デイズジャパン2011年
特集名 小出裕章の放射能の話
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/61/a071c8bec2b557dd2e4ce270ad52a81c.jpg)
「TOPICS 日本 佐賀県 玄海原発運転再開をめぐり波乱」 下「」引用。
「まるで何もなかったように
-略-
福島事故の経過と緊急安全対策について、「科学的」に語る保安院の若い専門官たちの報告を、ネットの画像で見た。薄暗い部屋で、壁にデータを映しながら、地震直後から炉心溶融に至る過程を、根拠となるデータを示しながら淡々と語る彼らの表情は、学会で自らの研究報告をする若い学者のあの誇らしげなそれに似ていた。
悔恨も、慚愧(ざんき)も、無念も、彼らとは無縁のような感情のようであった。まるで事故などなかったように彼らは振る舞っていた。現場で大量の被曝を強いられながら苦闘する労働者の姿も、自らの命を経ち切らざるを得なかった農民や酪農家の苦悩も、彼らの目には映らなかったようだ。」
index
「反原発デモが全国各地で行われている」
「原発で得をするのは?」 下「」引用。
「なぜここまでしてやるかというと、それは電力会社が儲かるからです。なぜ儲かるかというと法律で守られているからです。-略-レートベースというものを報酬率という一定のパーセントをかけて利潤を決めろ、それだけ儲けていいと書いてある。」
レートベースを上げる原発。
一番高い原発の電気。立命館大学の大島堅一が調査。
「原子力に市民のメリットはない」
「チェルノブイリの謎の雨」 下「」引用。
「毎年モスクワの赤の広場で催される国家行事の日には、雨の一度も降らない。それは雨雲がモスクワに近づいたときに、事前に雨を降らせて雲を「霧散」させてしまうからだ。旧ソ連のこの人工雨の技術がチェルノブイリ事故で用いられたのかは、極秘事項の一つになっていた。この問題を追ってきた本誌編集長が、福島原発事故の直前に行った取材の結果を3回に分けて報告する。
「黄緑色の雨、銀色の雨」
今から21年前、1990年の6月から7月にかけて、2度目のチェルノブイリ被災地取材を行った時のことだった。その前年にこれまで秘密にされていたチェルノブイリ汚染地図が発表された。事故から3年後のことだった。この地図を見て不思議な感じにとらわれた人は多かった。
高濃度汚染地帯は大きく分けて3か所に分れていた。-略-
汚染地図が現れた翌年の90年、私は被災地で、ある噂を耳にした。ベラルーシに広大な汚染地をもたらした雨は、もしかしたら人工雨だったのではないかというのだ。雨雲が北東の方向、つまりモスクワに向かった時、当時8000万人の住む首都を守るため、人口もまばらなベラルーシで人口雨を降らせて、放射性物質を地上に落としたのではないかというのである。」
「銀色の雨」 下「」引用。
「94年4月に私はチェルノブイリから北に60キロのホイキニ地区で、幼稚園の園長(女性)に話を聞いたことがある。
「4月28日のことです。チェルノブイリの方からの強い風で、埃は舞い上げられていました。でも空は青かった。午後に明るくなってから雨が降りました。雨は銀色でした。
私の娘が来て『どうしてこんな色の雨が降るの?ママ。こんな雨は見たことがないよ』と言いました。小さな孫がいたんですが、私は彼女の服を洗濯して干しておいたら、服は汚れてしまいました。
雨はたびたび降りました。でも雨の後に溜まった水は、黄色い水たまりでした。6日にすべての幼稚園や学校の先生が集められ、政府の命令が読みあげられました。7日の10時に子どもを全部バスに乗せて避難させるというのです。こうして私たちはサナトリウムに送られて、8月の26日まで過ごしました。-略-」
「フィルムに写り込むプルトニウム」ホアニキ中央病院のコルツォフ医師。下「」引用。
「偶然、肺を撮影したレントゲンフィルムの袋の上に、木の葉がありました。現像したら肺の写真に、木の葉の鮮明な繊維が映っていたわけです。それで食べ物とかいろんなものをフィルムの上に置いて、一晩置いておいたら、形が写りこんでいました。そこには、光の点も写っていましたが、大きな点はプルトニウム、小さい点は放射性ヨウ素だったのです」
目 次
「アイスランド 地熱発電の可能性」
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広河隆一・編/デイズジャパン2011年
特集名 小出裕章の放射能の話
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「TOPICS 日本 佐賀県 玄海原発運転再開をめぐり波乱」 下「」引用。
「まるで何もなかったように
-略-
福島事故の経過と緊急安全対策について、「科学的」に語る保安院の若い専門官たちの報告を、ネットの画像で見た。薄暗い部屋で、壁にデータを映しながら、地震直後から炉心溶融に至る過程を、根拠となるデータを示しながら淡々と語る彼らの表情は、学会で自らの研究報告をする若い学者のあの誇らしげなそれに似ていた。
悔恨も、慚愧(ざんき)も、無念も、彼らとは無縁のような感情のようであった。まるで事故などなかったように彼らは振る舞っていた。現場で大量の被曝を強いられながら苦闘する労働者の姿も、自らの命を経ち切らざるを得なかった農民や酪農家の苦悩も、彼らの目には映らなかったようだ。」
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「反原発デモが全国各地で行われている」
「原発で得をするのは?」 下「」引用。
「なぜここまでしてやるかというと、それは電力会社が儲かるからです。なぜ儲かるかというと法律で守られているからです。-略-レートベースというものを報酬率という一定のパーセントをかけて利潤を決めろ、それだけ儲けていいと書いてある。」
レートベースを上げる原発。
一番高い原発の電気。立命館大学の大島堅一が調査。
「原子力に市民のメリットはない」
「チェルノブイリの謎の雨」 下「」引用。
「毎年モスクワの赤の広場で催される国家行事の日には、雨の一度も降らない。それは雨雲がモスクワに近づいたときに、事前に雨を降らせて雲を「霧散」させてしまうからだ。旧ソ連のこの人工雨の技術がチェルノブイリ事故で用いられたのかは、極秘事項の一つになっていた。この問題を追ってきた本誌編集長が、福島原発事故の直前に行った取材の結果を3回に分けて報告する。
「黄緑色の雨、銀色の雨」
今から21年前、1990年の6月から7月にかけて、2度目のチェルノブイリ被災地取材を行った時のことだった。その前年にこれまで秘密にされていたチェルノブイリ汚染地図が発表された。事故から3年後のことだった。この地図を見て不思議な感じにとらわれた人は多かった。
高濃度汚染地帯は大きく分けて3か所に分れていた。-略-
汚染地図が現れた翌年の90年、私は被災地で、ある噂を耳にした。ベラルーシに広大な汚染地をもたらした雨は、もしかしたら人工雨だったのではないかというのだ。雨雲が北東の方向、つまりモスクワに向かった時、当時8000万人の住む首都を守るため、人口もまばらなベラルーシで人口雨を降らせて、放射性物質を地上に落としたのではないかというのである。」
「銀色の雨」 下「」引用。
「94年4月に私はチェルノブイリから北に60キロのホイキニ地区で、幼稚園の園長(女性)に話を聞いたことがある。
「4月28日のことです。チェルノブイリの方からの強い風で、埃は舞い上げられていました。でも空は青かった。午後に明るくなってから雨が降りました。雨は銀色でした。
私の娘が来て『どうしてこんな色の雨が降るの?ママ。こんな雨は見たことがないよ』と言いました。小さな孫がいたんですが、私は彼女の服を洗濯して干しておいたら、服は汚れてしまいました。
雨はたびたび降りました。でも雨の後に溜まった水は、黄色い水たまりでした。6日にすべての幼稚園や学校の先生が集められ、政府の命令が読みあげられました。7日の10時に子どもを全部バスに乗せて避難させるというのです。こうして私たちはサナトリウムに送られて、8月の26日まで過ごしました。-略-」
「フィルムに写り込むプルトニウム」ホアニキ中央病院のコルツォフ医師。下「」引用。
「偶然、肺を撮影したレントゲンフィルムの袋の上に、木の葉がありました。現像したら肺の写真に、木の葉の鮮明な繊維が映っていたわけです。それで食べ物とかいろんなものをフィルムの上に置いて、一晩置いておいたら、形が写りこんでいました。そこには、光の点も写っていましたが、大きな点はプルトニウム、小さい点は放射性ヨウ素だったのです」
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「アイスランド 地熱発電の可能性」
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