『原発推進者の無念-避難所生活で考え直したこと- 平凡社新書 609』
北村俊郎・著/平凡社2011年
何か、ウィンドウ・ショッピングしている感じの人である……。
物事の本質とか、人間としてとか、ほとんど感じなかった……。
チェルノブイリ事故なども理解されていないようだ……。
表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。
「ながらく原子力推進の仕事に携わってきた著者は、福島第一原発から七キロ、温暖で暮らしやすい富岡町に家を構えた。そして3・11、東日本大震災と原発事故--。突然の避難指示と、改善の進まぬ避難所生活を強いられるなか、原発によって、周辺住民がこんな目にあってはならないと、推進してきた者として、身に沁みて感じるようになる。原子力政策、体制の問題を指摘してきた著者が、関係者として責任を感じつつ、その内実を語る。」
経済学部卒業後、「日本原子力発電」に入社し、社団法人日本原子力産業協会参事になったという。
「三月一三日--二人で一つのカップ麺」
親類の家に避難。
自衛隊風呂についても書かれてありました。
原発について書かれてはあるが、事実を把握しているのか疑問である。
東電……。下「」引用。
「「東電はす何もしてくれない」との不満が聞こえる。左藤雄平福島県知事が東電の清水正孝社長のお詫び訪問を拒否したことを当然だという人が多い。」
しかし、原発を建てるということは、こういうことが起きるということだ……。この知事がMOXまでも認めたことは棚上げしている……。感情論で動いているようだ……。
飯舘村を羨ましいとは? 驚きである。その間に被曝しているというのに……。下「」引用。
「-略-あの時間的余裕はうらやましいと思える。富岡町や川内村の人たちは、補償も移転先の話もなしに、いきなりその場で強制的に移転させられた。一か月後の余裕があれば、どれほどの物が持ち出せるだろう。集落も散りぢりにならずにすむだろう。
なぜか放射線量が高まっていた飯舘村が、当初はデータを知らされず、政府の規制変更に振り回されているのには同情するが、着の身着のままの言葉通りビッグパレットに来ている自分たちの場合は、それと比較にならないとの思いが強い。」
救急車がしょっちゅう来ているという。下「」引用。
「高齢者や高血圧の人は長引く避難生活で体調を崩す人が多いとのこと。-略-」
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退避……。下「」引用。
「今朝の福島民報新聞によると、退避指示のあった三月一二日、午前六時五○分に富岡町は防災放送で「原子力災害に備えて町民の皆さんは川内村役場に避難してください。バスが出るのであわてず乗車してください」と案内したということだ。また、双葉町は早い段階から大型バスを手配し、町民を川俣町に移動させたと書いてある。
私は当日、九時過ぎまでは放送を聞いていない。地域によっては放送装置の故障などで第一報が聞こえなかったのだろう。前日から自陣のために小学校に避難していた住民は、そのまま町の用意したバスに乗った。結局、早朝から富岡町-川内村間の国道は車で埋まり、約二○キロの山道は車で埋めつくされノロノロ運転をしていたのだ。私はほぼその最後尾についたことになる。」
【ビートたけし】「原子力災害とお笑い芸人」 下「」引用。
「福島第一原発の事故が収束しないまま避難生活が長引くなか、六月六日夜、テレビ朝日の「ビートたけしのTVタックル」に広野町長をはじめ住民が避難先から生中継で出演した。番組のはじめからレギュラーの大竹まことや阿川佐和子はいつもの通り、チャラチャラした感じで、今日のテーマである原発避難問題とは違和感があった。広野町民は番組の途中でキレて、スタジオの出演者たちに向かって、「そちらでは笑いながら話をしているが……」といい放った。阿川佐和子がうろたえた口調で「誰か答えてください」と応じ、一瞬気まずい空気が画面を支配した。
避難している福島の人々は広野町民と同じ思いだが、首都圏や関西の人々はどのような印象を持ったのだろうか。この番組のディレクターやたけしなどレギュラー陣は、出演した地元の人々に抗議されることを考えずにやったのか、それとも演出の一つと考えてこうした抗議を期待していたのだろうか。-略-」
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「町の再建計画」 下「」引用。
「各町村では復興プランをつくるため、一般の町民から募集して委員会を設置することが流行っている。原発事故によって町内の企業も廃業したり、移転したりしている。人口も以前に比べて激減しているので、事業税や住民税はあてにできない。もともと、各町村は原発関連で電源開発促進税(電気代とともに消費者から徴収されている)を財源にした電源三法交付金、固定資産税、核燃料税、法人住民税などで財源の半分近くを得ていたので、原発がこのまま廃炉になればたいへんだ。-略-」
「世界規模の閉鎖社会」 下「」引用。
「日本の原子力界は「原子力ムラ」と呼ばれ、閉鎖的であるとされているが、世界の原子力界も閉鎖的な傾向がある。特にモラトリアムが続いたヨーロッパと、スリーマイル島の事故以来、三○年間も建設がなかったアメリカでは、多くの企業が原子力から撤退した結果、人材が枯渇し、原子力界から最盛期から何十年も原子力にかかわってきた一部の人たちにより維持されている。特にアメリカでは、世界的原子力メーカーであったGEとウェスティングハウスの原子力部門が弱体化したことの影響が大きい。両社とも、現在はそれぞれ日立、東芝と組んで原子力部門を維持している。-略-」
アメリカが原発推進する気があるなら、GEなど日本に売るわけがないですね。
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目 次
北村俊郎・著/平凡社2011年
何か、ウィンドウ・ショッピングしている感じの人である……。
物事の本質とか、人間としてとか、ほとんど感じなかった……。
チェルノブイリ事故なども理解されていないようだ……。
表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。
「ながらく原子力推進の仕事に携わってきた著者は、福島第一原発から七キロ、温暖で暮らしやすい富岡町に家を構えた。そして3・11、東日本大震災と原発事故--。突然の避難指示と、改善の進まぬ避難所生活を強いられるなか、原発によって、周辺住民がこんな目にあってはならないと、推進してきた者として、身に沁みて感じるようになる。原子力政策、体制の問題を指摘してきた著者が、関係者として責任を感じつつ、その内実を語る。」
経済学部卒業後、「日本原子力発電」に入社し、社団法人日本原子力産業協会参事になったという。
「三月一三日--二人で一つのカップ麺」
親類の家に避難。
自衛隊風呂についても書かれてありました。
原発について書かれてはあるが、事実を把握しているのか疑問である。
東電……。下「」引用。
「「東電はす何もしてくれない」との不満が聞こえる。左藤雄平福島県知事が東電の清水正孝社長のお詫び訪問を拒否したことを当然だという人が多い。」
しかし、原発を建てるということは、こういうことが起きるということだ……。この知事がMOXまでも認めたことは棚上げしている……。感情論で動いているようだ……。
飯舘村を羨ましいとは? 驚きである。その間に被曝しているというのに……。下「」引用。
「-略-あの時間的余裕はうらやましいと思える。富岡町や川内村の人たちは、補償も移転先の話もなしに、いきなりその場で強制的に移転させられた。一か月後の余裕があれば、どれほどの物が持ち出せるだろう。集落も散りぢりにならずにすむだろう。
なぜか放射線量が高まっていた飯舘村が、当初はデータを知らされず、政府の規制変更に振り回されているのには同情するが、着の身着のままの言葉通りビッグパレットに来ている自分たちの場合は、それと比較にならないとの思いが強い。」
救急車がしょっちゅう来ているという。下「」引用。
「高齢者や高血圧の人は長引く避難生活で体調を崩す人が多いとのこと。-略-」
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退避……。下「」引用。
「今朝の福島民報新聞によると、退避指示のあった三月一二日、午前六時五○分に富岡町は防災放送で「原子力災害に備えて町民の皆さんは川内村役場に避難してください。バスが出るのであわてず乗車してください」と案内したということだ。また、双葉町は早い段階から大型バスを手配し、町民を川俣町に移動させたと書いてある。
私は当日、九時過ぎまでは放送を聞いていない。地域によっては放送装置の故障などで第一報が聞こえなかったのだろう。前日から自陣のために小学校に避難していた住民は、そのまま町の用意したバスに乗った。結局、早朝から富岡町-川内村間の国道は車で埋まり、約二○キロの山道は車で埋めつくされノロノロ運転をしていたのだ。私はほぼその最後尾についたことになる。」
【ビートたけし】「原子力災害とお笑い芸人」 下「」引用。
「福島第一原発の事故が収束しないまま避難生活が長引くなか、六月六日夜、テレビ朝日の「ビートたけしのTVタックル」に広野町長をはじめ住民が避難先から生中継で出演した。番組のはじめからレギュラーの大竹まことや阿川佐和子はいつもの通り、チャラチャラした感じで、今日のテーマである原発避難問題とは違和感があった。広野町民は番組の途中でキレて、スタジオの出演者たちに向かって、「そちらでは笑いながら話をしているが……」といい放った。阿川佐和子がうろたえた口調で「誰か答えてください」と応じ、一瞬気まずい空気が画面を支配した。
避難している福島の人々は広野町民と同じ思いだが、首都圏や関西の人々はどのような印象を持ったのだろうか。この番組のディレクターやたけしなどレギュラー陣は、出演した地元の人々に抗議されることを考えずにやったのか、それとも演出の一つと考えてこうした抗議を期待していたのだろうか。-略-」
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「町の再建計画」 下「」引用。
「各町村では復興プランをつくるため、一般の町民から募集して委員会を設置することが流行っている。原発事故によって町内の企業も廃業したり、移転したりしている。人口も以前に比べて激減しているので、事業税や住民税はあてにできない。もともと、各町村は原発関連で電源開発促進税(電気代とともに消費者から徴収されている)を財源にした電源三法交付金、固定資産税、核燃料税、法人住民税などで財源の半分近くを得ていたので、原発がこのまま廃炉になればたいへんだ。-略-」
「世界規模の閉鎖社会」 下「」引用。
「日本の原子力界は「原子力ムラ」と呼ばれ、閉鎖的であるとされているが、世界の原子力界も閉鎖的な傾向がある。特にモラトリアムが続いたヨーロッパと、スリーマイル島の事故以来、三○年間も建設がなかったアメリカでは、多くの企業が原子力から撤退した結果、人材が枯渇し、原子力界から最盛期から何十年も原子力にかかわってきた一部の人たちにより維持されている。特にアメリカでは、世界的原子力メーカーであったGEとウェスティングハウスの原子力部門が弱体化したことの影響が大きい。両社とも、現在はそれぞれ日立、東芝と組んで原子力部門を維持している。-略-」
アメリカが原発推進する気があるなら、GEなど日本に売るわけがないですね。
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