磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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福島原発事故はなぜ起きたか

2011年12月25日 | 読書日記など
『福島原発事故はなぜ起きたか』
    井野博満・編/井野博満、後藤政志、
      瀬川嘉之・著/藤原書店2011年

2011年4月に開催された講演会とシンポジウムの内容を再構成。



フランスのベントとは異なる福島第一原発。下「」引用。

「フランスのプラントではものすごく大きなフィルターをつけています。ばかでかいフィルターでないと濾せないので、尋常なものではありません。それをつけて、放射能を少しでも減らすという発想だったんです。
 ところが、原子力安全委員会もそうですし、我々も、結果として加担していたんです。そんなアクシデントはないだろうということで、やめたんですが、もしフィルターをつけていたら、少なくとも今のように、ベントをして大量に放射性物質をまきちらすということはなかったはずなんです。-略-」

しかし、ベントだけが問題ではありませんね……。

「Q7 被曝労働の実態は、どのようなものでしょうか。山谷などの寄せ場で、人が集められていると聞きますが……。」 下「」引用。

「向井(会場から) 私は、山谷労働者福祉会館で活動しています。一九九五年に私たちが出したパンフレットの中で、実際に上野で手配されて、野宿していた状態から東海村の原発に連れていかれて、十分な線量計及び十分な説明もなしに行って、一緒に働きに行った仲間が白血病で亡くなってしまったという話を直接聞きました。最近十年ぐらいはそういう大規模な話は聞きませんが、いま復興が始まる中で、山谷及びスポーツ新聞の求人で復興支援という名目の労働が出始めています。その中に被曝労働が含まれているのではないかということは、私が非常に心配していることです。先ほどの話は、聞き書きの形で今ブログに載せているので、山谷労働者福祉会館で検索していただければ読めるようになっています。-略-ですから、外国人や山谷の労働者というようなこと以外に、地元の人たちがやはり被曝労働をさせられているという現実があると思います。」

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「事業者・保安院・安全委員会・学者の責任を問う」
3-1 大津波は想定できた
3-2 耐震安全性も不十分だった
3-3 事業者・保安院・安全委員会・学者の責任 下「」引用。

「-略-事業者がおこなう評価(アセスメント)というのは、必ずといってよいほど、当の原発が運転再開できることを妨げない範囲での評価であったということである。福島原発でおこなわれたバックチェックもそれと同類のものだったことは想像に難くない。
 そのような報告書を提出した事業者である東京電力、それを審議した原子力安全・保安院、独自の立場で安全審査をおこなったはずの原子力安全委員会、無批判にそれらに協力した学者たちの福島原発震災に対する責任はきわめて重いと言わざるを得ない。
 三月三十一日、田中俊一前原子力委員、松浦祥次郎元原子力委員長、石野栞東大名誉教授の三氏が一六名の研究者・技術者を代表して記者会見し、「福島原発についての緊急提言」を発表した。-略-残念ながら今回の事故をもらたした原子力推進体制についての根本的な問題点の指摘はない。-略-」
3-4 問われる、国、東電の事故対応能力
3-5 独立した事故調査委員会の人選の透明性確保の必要性について

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