『週刊朝日 ２０１２－２－１０』
河畠大四・編/朝日新聞出版2012年
特集名 消費増税にダマされるな
「『脱東電』は可能だ！！」保坂展人（世田谷区長）。下「」引用。
「「脱原発」を掲げる世田谷区長の保坂展人氏（56）がついに動いた。東京電力に頼っていた電力供給を見直し、ほかの電力事業者を含めた競争入札を実施することにのした。人口88万人。東京最大の自治体の取り組みが他にも拡大すれば再生可能エネルギーの市場拡大にもつながる。保坂区長にインタビューし、その狙いを聞いた。」
リアルタイムを求めたが……。下「」引用。
「私は世田谷区の電力使用量などをリアルタイムで情報開示するように東電に求めました。いよいよ電気が足りなくなるというときには、区民の刑法を出したり、携帯やパソコンへのメール配信で知らせたりするなど、実態に応じた節電を呼びかけたいと考えたからです。しかし、何度かの交渉の末、東電が出してきたのはす東京23区全体の前日の電力使用量だけでした。」
“何か”……から福島原発事故……。下「」引用。
「新規参入のPPS（特定規模電気事業者）も現在全国に49社あります。東電など既存の電力会社以外から電力を購入する制度がありながら、市場が拡大しなかった背景には“何か”があったのでしょう。その“何か”とは、電力会社への無意識の遠慮です。電力会社から原発関係自治体への匿名寄付などによって形作られてきた巨大な利権構造というブラックボックスにもつながります。
しかし、福島原発事故によって、それは過去の残影にすぎないことがわかりました。東京都立立川市が陰影する立川競輪場の電力購入先を東電からPPSに切り替えた結果、2010年度の電気料金は前年度に比べて約27％、約1700万円節約できたとの報道がありました。また、すでにの横浜市や名古屋市などではPPSによる電力供給を受けているほか、利権構造の一翼である経産省自身も実は入札によってPPSから電力供給を受けているのです。」
電気料金値上げなら、PPSなら年間最大1億1千万円の節約効果。下「」引用。
「世田谷区が2月下旬に競争入札を行うのは、約900ある区の施設のうち、入札によって電気料金の低減につながる区役所本庁舎や区民会館、小中学校など111の施設です。その111の施設の年間電気料金は約6億7千万円（10年度）です。入札によってその3％、約2千万円の節約効果が見込めるほか、東電が電気料金の17％値上げを行った場合の電気料金の値上がり分、約9千万円を食えると、年間最大1億1千万円の節約効果があると試算しています。区の予算規模（一般会計）は約2500億円ですから、かなりの節減効果が期待できるわけです。」
index
自治体と原発。下「」引用。
「－略－緊急時の対応の責任は、総理大臣や知事ではなく基礎自治体の首長がすべて負わなければならないのです。なのに、世田谷区など原発から離れた自治体は原発のリスクや再稼働について意見を言う場もありません。自治体が電力のユーザーである区民、住民の立場に立って発言し、行動し、情報開示を求める必要があるのです。」
「玄海原発 封印された「汚職」 昨年のやらせメールから40年前」徳本栄一郎。下「」引用。
「話は「1965年」に遡（さかのぼ）る。－略－原発を誘致した町の幹部が汚職で逮捕されたのだ。発端は起工式の前月だった。
71年2月、町役場の会計係が逮捕された。公金約1900万円を競艇や飲食に使っていた。これだけなら一職員の不祥事で済んだかもしれない。だが捜査は思わぬ展開を見せた。
同年11月、地元の漁業協同組合長が背任で逮捕された。原発建設で九電が出した補償金の使途を巡る容疑だ。12月には何と山崎前町長（当時）も逮捕された。原発の用地買収費を横領した容疑だ。このほか、役場の課長が逮捕され、元町議会議長は書類送検された。町の中枢が捕まる前代未聞の事態だった。当時、地元で指摘されたのが巨額の九電マネーである。」
町の歴史書から汚職を消した古川・佐賀県知事の父。
「原発建設は結局民主主義を破壊」 下「」引用。
「玄海町で会った、ある老人の呟きが印象的だった。
「結局、原発を造るというのは民主主義を壊す作業なんです。そして民主主義を壊さないと原発なんて出来ません」
原発は人々が渇望した豊かさを与えた。そして、その代償もとてつもなく大きかったと言える。」
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「首都圏直下型地震 最悪のシナリオ」
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河畠大四・編/朝日新聞出版2012年
特集名 消費増税にダマされるな
「『脱東電』は可能だ！！」保坂展人（世田谷区長）。下「」引用。
「「脱原発」を掲げる世田谷区長の保坂展人氏（56）がついに動いた。東京電力に頼っていた電力供給を見直し、ほかの電力事業者を含めた競争入札を実施することにのした。人口88万人。東京最大の自治体の取り組みが他にも拡大すれば再生可能エネルギーの市場拡大にもつながる。保坂区長にインタビューし、その狙いを聞いた。」
リアルタイムを求めたが……。下「」引用。
「私は世田谷区の電力使用量などをリアルタイムで情報開示するように東電に求めました。いよいよ電気が足りなくなるというときには、区民の刑法を出したり、携帯やパソコンへのメール配信で知らせたりするなど、実態に応じた節電を呼びかけたいと考えたからです。しかし、何度かの交渉の末、東電が出してきたのはす東京23区全体の前日の電力使用量だけでした。」
“何か”……から福島原発事故……。下「」引用。
「新規参入のPPS（特定規模電気事業者）も現在全国に49社あります。東電など既存の電力会社以外から電力を購入する制度がありながら、市場が拡大しなかった背景には“何か”があったのでしょう。その“何か”とは、電力会社への無意識の遠慮です。電力会社から原発関係自治体への匿名寄付などによって形作られてきた巨大な利権構造というブラックボックスにもつながります。
しかし、福島原発事故によって、それは過去の残影にすぎないことがわかりました。東京都立立川市が陰影する立川競輪場の電力購入先を東電からPPSに切り替えた結果、2010年度の電気料金は前年度に比べて約27％、約1700万円節約できたとの報道がありました。また、すでにの横浜市や名古屋市などではPPSによる電力供給を受けているほか、利権構造の一翼である経産省自身も実は入札によってPPSから電力供給を受けているのです。」
電気料金値上げなら、PPSなら年間最大1億1千万円の節約効果。下「」引用。
「世田谷区が2月下旬に競争入札を行うのは、約900ある区の施設のうち、入札によって電気料金の低減につながる区役所本庁舎や区民会館、小中学校など111の施設です。その111の施設の年間電気料金は約6億7千万円（10年度）です。入札によってその3％、約2千万円の節約効果が見込めるほか、東電が電気料金の17％値上げを行った場合の電気料金の値上がり分、約9千万円を食えると、年間最大1億1千万円の節約効果があると試算しています。区の予算規模（一般会計）は約2500億円ですから、かなりの節減効果が期待できるわけです。」
index自治体と原発。下「」引用。
「－略－緊急時の対応の責任は、総理大臣や知事ではなく基礎自治体の首長がすべて負わなければならないのです。なのに、世田谷区など原発から離れた自治体は原発のリスクや再稼働について意見を言う場もありません。自治体が電力のユーザーである区民、住民の立場に立って発言し、行動し、情報開示を求める必要があるのです。」
「玄海原発 封印された「汚職」 昨年のやらせメールから40年前」徳本栄一郎。下「」引用。
「話は「1965年」に遡（さかのぼ）る。－略－原発を誘致した町の幹部が汚職で逮捕されたのだ。発端は起工式の前月だった。
71年2月、町役場の会計係が逮捕された。公金約1900万円を競艇や飲食に使っていた。これだけなら一職員の不祥事で済んだかもしれない。だが捜査は思わぬ展開を見せた。
同年11月、地元の漁業協同組合長が背任で逮捕された。原発建設で九電が出した補償金の使途を巡る容疑だ。12月には何と山崎前町長（当時）も逮捕された。原発の用地買収費を横領した容疑だ。このほか、役場の課長が逮捕され、元町議会議長は書類送検された。町の中枢が捕まる前代未聞の事態だった。当時、地元で指摘されたのが巨額の九電マネーである。」
町の歴史書から汚職を消した古川・佐賀県知事の父。
「原発建設は結局民主主義を破壊」 下「」引用。
「玄海町で会った、ある老人の呟きが印象的だった。
「結局、原発を造るというのは民主主義を壊す作業なんです。そして民主主義を壊さないと原発なんて出来ません」
原発は人々が渇望した豊かさを与えた。そして、その代償もとてつもなく大きかったと言える。」
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