『朝永振一郎著作集5 科学者の社会的責任』
朝永振一郎・著/小川岩雄・解説/みすず書房1982年
「科学者なくして、核兵器なし」
「核兵器なくして、ヒロシマ、ナガサキなし」
「科学者なくして、原発なし」
「原発なくして、スリーマイル島事故、チェルノブイリ事故……なし」
--科学の負の部分も忘れてはならないことだろう……。
バグウォッシュ会議のことが書かれてありました。下「」引用。
「こういう問題を討論するのが今度のバグウォッシュ会議の目的であった。
この会議はイギリスの哲学者バートランド・ラッセルの主唱で開かれた。二年ほど前に、ラッセルはアインシュタインと二人でこの主の会議を開くことを世界の科学者によびかけ、数名の著名な科学者が直にに賛意を表した。その中の一人がわが湯川博士である。」
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何千年間……。下「」引用。
「朝永 人間は自分の一生の間に起る出来事はぴんとくるが、自分が死んでから数千年の間に起ることにはあまり感じない。しかし、人類全体の問題ですから、数千年間に起ってそれでおしまいになるストロンチウムの害も、質的にちがったものとは考えられないと思うのです。とにかく問題は、日本でもだれかもっとくわしく検討して、もう少し説明した方がいいのじゃないかという気がいたします。」
この仕事をした科学者がいるか?
--ボクは知りません……。
科学者の責任。下「」引用。
「科学が悪用された場合の破壊的なことをもっともよく知っているのは科学者であるから、科学者はそれを一般の人々に知らせる義務がある。科学者が世論を喚起して、戦争がまず起こらないように盛りあげていくこと。いかにも現状は困難である。科学は兵器を進歩させてきたし、科学が国防に役にたつからといって保護されている。しかし、科学の本質からみると、それは邪道である。科学は正しい状態で研究すべきものであることを広く世人に訴えなければならないということであります。」
科学者の責任を忘れたいつものことに関われる学者が今もいます……。
福田歓一は「武装平和」について語る。下「」引用。
「「武装平和」という考え方は、歴史の示すところによれば、ことごとく失敗してきましたし、核兵器の出てくる以前にも、内在する危険を指摘されて来ました。その危険の要因は、核兵器が出現した後も通常兵器だけの場合にも妥当するわけです。朝永先生がご指摘になったように、不信・憎悪・偏見をあおり立て、民衆の心理が逆に政治家の立場を縛ること、これは核兵器以前からあった問題です。」
ファシストである政治家も、よく考えてもらいたいものだが、ご本人たちはそうとは思ってないようです。
国連について。下「」引用。
「アインシュタインなんか前にもいっていた。国連はやはり政府代表であるとね。そしてアインシュタインは科学者とはいってないが、人民(国民)の代表--代表という悪いけれども--そういうものの国際的な話合いが必要だということをいっておりましたね。」
そして、気に入られないものは、すべてアカとする人たちもいますね。下「」引用。
「パグウォッシュ会議というのはアカがやっているのだと「フェデレーション・オブ・アメリカン・サイエンティスト」にちょっと載りましたが、そういうことがあって、なかなか金が集まらなかったらしいのですね。」
ゼロサムゲームという不毛のゲーム。
--しかし、彼らには一時的に富や名声が……。
原爆についての朝永博士。下「」引用。
「原爆の原理である核分裂を発見したドイツのハーンが広島に原子爆弾が落とされたと聞いて、非常にショックを受けたということが伝えられておりますけれども、それ以後やはり科学者が単に自分の仕事をやっていれば、それがおのずから人間の幸福になるんだというオプティミズムが非常にはっきりした形で破られた。それが科学者が自分の仕事に対する社会的責任を自覚するようになった一つの原因であったというふうに思うんです。」
抑止力は破綻する……。下「」引用。
「朝永 とにかく抑止論はまだ日本を含めていろんな国の政府筋が信奉しているわけでしょう。ですから、まず核保有国に対しても、抑止政策は破綻するほかはないんだということを自覚してもらうのがまっさきだと思うんです。そして、核の使用をはっきり禁止させなきゃいけないと思います。それは、科学者たちが、ラッセル・アインシュタインの精神をあらためてかみしめて、理論的に非常に深い確信を持って、そして世論に訴えることだと思いますね。きっかけは。」
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朝永振一郎・著/小川岩雄・解説/みすず書房1982年
「科学者なくして、核兵器なし」
「核兵器なくして、ヒロシマ、ナガサキなし」
「科学者なくして、原発なし」
「原発なくして、スリーマイル島事故、チェルノブイリ事故……なし」
--科学の負の部分も忘れてはならないことだろう……。
バグウォッシュ会議のことが書かれてありました。下「」引用。
「こういう問題を討論するのが今度のバグウォッシュ会議の目的であった。
この会議はイギリスの哲学者バートランド・ラッセルの主唱で開かれた。二年ほど前に、ラッセルはアインシュタインと二人でこの主の会議を開くことを世界の科学者によびかけ、数名の著名な科学者が直にに賛意を表した。その中の一人がわが湯川博士である。」
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何千年間……。下「」引用。
「朝永 人間は自分の一生の間に起る出来事はぴんとくるが、自分が死んでから数千年の間に起ることにはあまり感じない。しかし、人類全体の問題ですから、数千年間に起ってそれでおしまいになるストロンチウムの害も、質的にちがったものとは考えられないと思うのです。とにかく問題は、日本でもだれかもっとくわしく検討して、もう少し説明した方がいいのじゃないかという気がいたします。」
この仕事をした科学者がいるか?
--ボクは知りません……。
科学者の責任。下「」引用。
「科学が悪用された場合の破壊的なことをもっともよく知っているのは科学者であるから、科学者はそれを一般の人々に知らせる義務がある。科学者が世論を喚起して、戦争がまず起こらないように盛りあげていくこと。いかにも現状は困難である。科学は兵器を進歩させてきたし、科学が国防に役にたつからといって保護されている。しかし、科学の本質からみると、それは邪道である。科学は正しい状態で研究すべきものであることを広く世人に訴えなければならないということであります。」
科学者の責任を忘れたいつものことに関われる学者が今もいます……。
福田歓一は「武装平和」について語る。下「」引用。
「「武装平和」という考え方は、歴史の示すところによれば、ことごとく失敗してきましたし、核兵器の出てくる以前にも、内在する危険を指摘されて来ました。その危険の要因は、核兵器が出現した後も通常兵器だけの場合にも妥当するわけです。朝永先生がご指摘になったように、不信・憎悪・偏見をあおり立て、民衆の心理が逆に政治家の立場を縛ること、これは核兵器以前からあった問題です。」
ファシストである政治家も、よく考えてもらいたいものだが、ご本人たちはそうとは思ってないようです。
国連について。下「」引用。
「アインシュタインなんか前にもいっていた。国連はやはり政府代表であるとね。そしてアインシュタインは科学者とはいってないが、人民(国民)の代表--代表という悪いけれども--そういうものの国際的な話合いが必要だということをいっておりましたね。」
そして、気に入られないものは、すべてアカとする人たちもいますね。下「」引用。
「パグウォッシュ会議というのはアカがやっているのだと「フェデレーション・オブ・アメリカン・サイエンティスト」にちょっと載りましたが、そういうことがあって、なかなか金が集まらなかったらしいのですね。」
ゼロサムゲームという不毛のゲーム。
--しかし、彼らには一時的に富や名声が……。
原爆についての朝永博士。下「」引用。
「原爆の原理である核分裂を発見したドイツのハーンが広島に原子爆弾が落とされたと聞いて、非常にショックを受けたということが伝えられておりますけれども、それ以後やはり科学者が単に自分の仕事をやっていれば、それがおのずから人間の幸福になるんだというオプティミズムが非常にはっきりした形で破られた。それが科学者が自分の仕事に対する社会的責任を自覚するようになった一つの原因であったというふうに思うんです。」
抑止力は破綻する……。下「」引用。
「朝永 とにかく抑止論はまだ日本を含めていろんな国の政府筋が信奉しているわけでしょう。ですから、まず核保有国に対しても、抑止政策は破綻するほかはないんだということを自覚してもらうのがまっさきだと思うんです。そして、核の使用をはっきり禁止させなきゃいけないと思います。それは、科学者たちが、ラッセル・アインシュタインの精神をあらためてかみしめて、理論的に非常に深い確信を持って、そして世論に訴えることだと思いますね。きっかけは。」
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