磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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今こそ、エネルギーシフト-原発と自然エネルギーと私達の暮らし-

2011年09月17日 | 読書日記など
『今こそ、エネルギーシフト-原発と自然エネルギーと私達の暮らし- 岩波ブックレット No.810』
   飯田哲也、鎌仲ひとみ・著/岩波書店2011年

このブックレットは……。下「」引用。

「『世界』二○一一年五月号の対談「自然エネルギーの社会へ再起しよう」に大幅加筆をしたものです。」



原発ムラの安全審査。下「」引用。

「喩えるならばロシアのマトリョーシカ人形のようなものです。実際に安全に関する報告書を作っているのは、設計・建設を請け負っている東芝、日立、三菱というメーカー御三家で、東京電力は、科らの作成した文書に「東京電力」という表紙を付けるだけです。要するに、文書の「てにをは」を直すことしかやらない。あけてもあけても同じものが出てくる。つり、マトリョーシカ人形なのです。
 さらに、その後の段階として今度は電力会社から原子力安全・保安院に文書を提出するのですが、保安院もまた基本的に官僚です。いわば「(東京電力の本店のある」内幸町文学」を「霞が関文学」に直すような作業しかやらない。根本的な安全性に関する問題、つまり外部電力が失われたらどうなのか、津波の高さに対する防備は大丈夫なのか……、そういった安全にかかわる本質的な設問を真剣に考える姿勢は全然ない。彼らが気にしているのは、原発反対派の市民団体やうるさいマスコミに突っ込まれない文章だろうか、という点だけです。社会的な批判に対して、言い訳さえちゃんと立てばよいのだと考えている。」

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山下俊一とドイツ抗議デモ。下「」引用。

「鎌仲 福島県の健康アドバイザーとなった長崎大学の山下俊一教授がNHK番組や福島県内のあちこちで講演をして「年間二○ミリシーベルトでも子どもは大丈夫」とか「一○○ミリシーベルトでも安全です」と発言して回っている。これは実はとんでもない発言なのですが、政府がこれを認めているので福島の多くの方々が信じている状況です。
 これまで一般人の被曝年間許容量が一ミリシーベルトだったのに、いきなり二○ミリシーベルトになって良い理由などどこにもない。最も過小評価されているICRPの直線モデルを使って計算しても一万人に一九人多くががんで亡くなる人が増えます。一五歳以下の子どもは大人の六~一○倍感受性が高いので、一九にその倍数を掛けてみると被害の大きさが見えてくるはずです。
 現にアメリカで五万人の医師がメンバーとっている「社会的責任を果たすための医師団」がこのレベルでは安全とまったく言えないと厳しく抗議をしています。彼らの計算では二年間このレベルの被曝を続けると、子どもの一○○人に一人ががんになると言っています。
 ドイツでも日本大使館前でこの「二○ミリシーベルト完全説」に反対する人々が抗議のデモをしました。この抗議に六一か国五万人がすでに賛同しているのです。政府は一刻も早く信頼を得られるような基準に戻して、子どもたちの健康を守る対策を講じるべきです。」

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ヘルツ統一、全国を60ヘルツに統一した新しい送電会社ができるかもしれないという……。

太陽光は毎年約10%ずつ安くなっているという……。

スウェーデンの原発事情。下「」引用。

「トーマスさん(*スウェーデンのエネルギー庁長官)によれば、確かに今ある一○基の原発を短期間ですべて廃炉にすることは現実的に無理だと。しかし、原発はこれ以上増やさないし、もし、電力会社が老朽化した原発を廃炉にしたあと再建したいなら禁止はしない。ただし、政府は一切援助しないし、事故の責任は無制限に電力会社が負うことになると。「現実的に再建は無理だろう」とトーマスさんは言っていました。そして一方で風力発電を大々的に増やして、原発三基分に相当する風力発電を開発することが、すでに決定されていました。原発を持っているスウェーデン最大の電力会社、バッテンフォール社自らのホームページに「政府に再生可能エネルギーを増やすように」呼びかけてくださいと書いてあったり、風力やバイオマスなどの電源を選択して電気を買えるようなサービスをしたりもしている。」

無責任体制……。下「」引用。

「鎌仲 これまでは市民グループが電力会社に交渉に行っても、「それは国の問題だから国に行ってください」と言われ、それで国に行くと「そこは電力会社に任せています」と言われるような状況が長年にわたって続いてきました。誰が政策を決め、誰が原発を運用し、誰が責任をとるのか、非常に曖昧なままに許されてきた。そこには民主主義はなく、市民グループも途方にくれて、自分たちの無力感に苛まれてきた、というのが現在までの道のりです。
 今回の事故への対応を見ていても、経済産業大臣や原子力安全・保安院、エネルギー庁長官といったトップが状況を包括的かつ専門的に理解したうえで説明責任を果たしているかといえば、まったくできていませんね。それが被害を拡大している。私たちへの実害を及ぼしている、これほどの欠陥があるということをきちんと知らせたうえで、どの方向に向かって転換していくかという具体的な提案が必要です。停電についても、無計画な停電をやめて、こうすれば停電しないで済むと飯田さんたちが提案しているように、市民の力で状況を塗り替えていかないといけない。これは、私たち自身でやっていくべきことだと思います。」

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