磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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皓星社ブックレット8 女子学生の長崎原爆の記録-時のかたみに-

2008年03月30日 | 読書日記など
『皓星社ブックレット8
   女子学生の長崎原爆の記録-時のかたみに-』
           中野道子・編著/皓星社1999年

ブックレットですから、100ページちょっとの本です。ブックレットというのはよくまとまっているものが多いですね。



戦後50年、1995年秋、アメリカ。著者は長崎原爆について話す。その感想。下「」引用。

「真珠湾の時の爆弾より少し大きい爆弾を落しただけです。戦争を終了させるために」
そして最後に質問された。
「あなたはアメリカを責めますか?」


アメリカ人にもいろいろとおられると思いますので、何ともいえません。
クエーカー教徒などの方には「ありがとう!」としかいいようがありません。
平和ということを考えるとき、やはり模範といっていいかと思います。

この本の著者は以下のように書かれています。

「原爆投下は許しがたい非道である。しかし私達にはアメリカだけを責める資格があるのだろうか。戦争の名のもとにいかに多くの非道が行われたことか。」


多くの国、ほとんどの国でひどいことが行われていました。

国を一つにして考えてしまうのも、いい場合と悪い場合があるとボクは思います。

戦争はどちらの国も非人間的なことをするものですね。


長崎医科大学の名誉教授のことが書かれてありました。下「」引用。

「 私たちが女専で生理学の講義を受けた長崎医大の国友鼎(かなえ)名誉教授は、原爆で夫人を亡くされたが、被爆の翌日、焼け跡の瓦礫の中を夫人を探し求めてさまよわれ、焼け落ちた研究室を眺めて「私の一生をかけた研究はすべて灰になってしまった」と声を放って泣かれたという。その時六十九歳であられた。」


野蛮な行為としかいいようがありません……。
どうして、こんなことを正当化できるのか、ボクにはわかりません。

むかし映画でヒトラーが爆弾をおとし、学校にいかなくてよくなり、喜ぶシーンがありました。でも、戦争はそんな甘いものじゃないですね……。

子どもでも、郵便配達や軍需工場で働かされます。

そして、夏休みもなく働かされ、勉強させられます。下「」引用。

「 長崎市の医療活動の中心であった長崎医大は、戦時体制下、軍医の養成のため学部の四年が三年に短縮され、夏体みなどもちろんなく、土曜、日曜も講義や実習に明け暮れたという。」



「チェルノブイリの事故で知った核の恐怖」というのが書かれてありました。
甲状腺機能ガンになった妹もそれだったと理解されます。
日本では学者が隠蔽に手をかしていました……。
その学者はチェルノブイリでも、健康に影響はないと……。

チェルノブイリから広島へ

『あとがき』に多くの人たちへの謝辞がありました。下「」引用。

「原稿をお寄せ頂き、また体験談を聞かせてくださった長崎女専同期生の皆様、県立長崎高女の同窓生、福富千寿枝様、林美紗子様、講演原稿をご寄稿いただいた福井順先生に心から感謝申し上げます。-略-」


モノクロですが、写真がなかなかよかったです。
わかりやすい感じもしました……。




上は戦前の浦上天主堂の写真です。

天主堂の前の白っぽい木は、サクラなんでしょうか?







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