総理がコジキでコジキがソーリィー 065 世界中に蔓延(まんえん)する病! 「でも、いじめたらいじめ返せって……」 「それは間違いだなあー、ソーリィーなら、そう教えてくれるはずさ」 「どうして? 強かったら、いじめられないんでしょう」 こんな考えばかりだから、世界は平和にならないのだろうなあ。 やられたら、やりかえせ! そんな論理ばかりだ……。 「強かったらか……。暴力で暴力を防いだとしても、本当の人間関係を結べたわけじゃないんだよ」 「じいさん、いいこというじゃないか」 「このごろは、物は豊かになったかもしれないが、人間関係は貧しくなるばかりだなあー」 「人間関係が貧困……」 「そうさ、どうして、友達にならないんだ。いじめている仲間も、実は友達になれるんだろう。友達はいっぱいいるほうが、それだけ幸せだってものだよ」 「そう思うよなあー。いじめなんてしていたら、友達を失うもんだよ」 「そんなことないだろう。いじめをしている奴等には友達がいるよ。今日も三人にやられたもんなあー」 「三人かーあー、そいつら同士、本当の友達と思う?」 目を大きく見開く高橋青年。 「わからないや……」 少年は投げやりにいった。あんな奴等のことなんて考えたくもなかった。 「そんな、悪いことをしあっているというのは、助けあっていないから、本当の友達ではないんだよ……。わかるかい、友達じゃないんだよ、そんなもんは……」 「聖書に“困ったときの友達が本当の友達”って書いてあったように思うなあー」 「高橋青年の父母は、クリスチャンだったんだそうだよ。聖書にはいいことが書いてある……」 「困ったときの友達が本当の友達」 「そうだとも、われわれは本当に困っているから、友達だなあー」 「あまり、いい友達とはいえないかもしれんが、友達だろうなあー」 「いいなあー。ぼくには今、友達と呼べる人はいない」 「そんな威張っていうなよ」 「テレビ・ゲームばっかりやっているんだろう。人間関係が貧しくなるのは仕方がないことだよなあー」 「そうでもないけど……」 「でも、してないことはないだろう」 「うん」
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