磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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アヒンサー 放射線の衝撃-低線量放射線の人間への影響 被曝者医療の手引き-

2009年09月04日 | 読書日記など
『アヒンサー 放射線の衝撃
  -低線量放射線の人間への影響 被曝者医療の手引き-』
    ドネル・W・ボードマン(著)/肥田舜太郎(訳)/
      PKO法「雑則」を広める会
        1991年、1992年2刷非売品

【追加2011年5月28日】実費で配布されているようですよ。コメントに書き込みがありました。

今も虚偽をつづけている学者たちもいますね……。
--それで被害者を増やしている……。彼らもまた加害者……。



「再版の発行に当たって-すべての子どもたちのために-」 下「」引用。

「2008年5月30日の大阪高裁で原爆症認定集団訴訟が、国、厚生労働省の上告断念で確定したということを新聞で知り、入市被爆者は何かを知りたいと思い、判決文を調べました。その判決文には、この「放射線の衝撃」(D.W.ボードマン著)と「死にいたる虚構--国家による低線量放射線の隠蔽」(J.M.グールド、B.A.ゴルドマン共著)が引用されていました。その訳者が2004年に当会で発行した小冊子アヒンサー「私、子ども生んで大丈夫ですか」に、「広島に生きのびた医師として」を書いてくださった肥田舜太郎医師だったことに驚きと感銘を受け、お電話をいたしました。-略-」

そして、この本の再版がなれさたという。

まったくの虚偽の宣伝だったという……。下「」引用。

「15~16年も前のことで、当時はアメリカによる「体内に摂取された放射性物質から放射される放射線は、きわめて微量のため人体に影響がない」とまったく虚偽の宣伝が、世界中の医学書、科学者の中に行き渡っていて、わが国で、広島・長崎原爆被害に関心を持つ医師や科学者でも、内部被曝問題に関心をもつものは全国で数名いたか、どうかの状態でした。」

「低線量放射線への二次被曝による遅発障害」 下「」引用。

「確立されている放射線被曝合併症
放射線被曝に関係があると公に確認されている疾病は、
a) 白内障、特に後水晶嚢白内障と、眼の変化を伴うもの
b) 白血病、多発性骨髄腫
c) 小頭症と胎児被曝後の精神薄弱症
 胎内被曝をした胎児は特に癌、白血病に侵され易く、妊娠1~3カ月の被曝は7~9カ月よりも危険である(Stewart AM 1986)。
 公に考慮されている放射線被曝合併症
a) 非悪性腫瘍、繊維腫、甲状腺機能低下
b) 真性多血球血症(一度、確認されたが、退役軍人管理局〔VA〕、放射線防護機関【DNA】によって取り消された)
c) 再生不良貧血*と骨髄繊維症
d) 早産♯
e) 食道腫瘍(*)、唾液腺、尿路系、脾臓、直腸、腎臓、膀胱の腫瘍
f) 悪性リンパ腫(*)
 最近、すべての癌(慢性リンパ性白血病、ホジキン氏病、子宮頚管癌を除く)について放射線の起因性が認められた(Hoffman and Radford 1985)。
 ★(欄外) (♯)VAでは考慮。(*)VAでは確認のリストにあげられている(Op.cit.Fed.Reg. 1985)」

あらゆる癌と悪性度が高い……。下「」引用。

「ホフマンとラドフォードによるスリーマイルズ島事件についての評価の高い文献(公衆衛生基金)は次のことを確言している。
 放射線はあらゆる癌を発生させる。
 放射線起因の癌は自然発生癌よりも悪性度が高。
 組織が異なると、細胞の感応の素早さや悪性化の速度に影響を与える細胞の模写の速度も違ってくる。この事実は放射線被曝による「癌になりやすさ」とは関係がない。
 放射線の発癌性は累積的である。
 癌には臨床的に明らかになる前に重要な潜伏期がある。
 宿主の因子は重要な影響を及ぼす。
 乳幼児は青年期や中年のグループよりもはるかに危険である。高齢者は癌年齢である。」

「軍隊の被曝者」 下「」引用。

「1945年から62年までの間に25万人以上の職員と被曝米兵が、180回以上行われた公式の空中核実験に一回又はそれ以上、被曝した(Wasseman H , and Solomon N., 1982, pp.54+280)。低線量放射線の影響につては多くのことが知られたり、疑われていたが、核実験の時には公には殆ど注意が払われず、記録もされなかった。電離放射線に被曝した職業軍人は危険はなく、あっても僅かだと安心させられていた。-略-」

ビキニ十字路作戦(1946年)の被曝米兵の死亡についても書かれてあった。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なぜ非売品なのですか (葛谷啓司)
2011-05-02 09:33:17
「放射線の衝撃」などの翻訳本を図書館などで見られるようにしてほしい。非売品にすることは、国民の知る権利へ冒涜である。
図書館に置かれている冊子です。 (磯野鱧男)
2011-05-02 22:50:34
西東京市の図書館で見られますよ。

http://www.library.city.nishitokyo.lg.jp/cgi-bin/detail?NUM=002253505&CTG=1&RTN=01&SID=KrA8w1iSI3HcSKt&TM=224410240

東京の人なら、運がよかったら、近くの図書館にリクエストをされたら、貸出し可能かもしれません。

放射線傷害では、個人差がかなりあるんですよね。
ナガサキ原爆では、急性症状になり、20代で歯が全部ぬけた人がいました。その人は80歳まで生きて、立派な医師として働かれていると読んだことがあります。また、チェルノブイリ事故では爆発のわずか10m先で被曝した人が、今も生きておられ、フクシマのことを心配されているのがテレビ朝日で報道されていました。

安斎育郎(元・東京大学医学部・放射線健康管理学助手)は、「がん当たりくじ」理論を書かれていますね。
http://blog.goo.ne.jp/ryuzou42/e/dafd9a97a8e44a04d6ca9b2cbb8c340e

また、別の言い方では、「宝くじ」理論という人もいたかと思います。くじを買わなければ、当たらないけど、くじを買えば買うほど当たる……。でも、一枚でも当たる人もいれば、何百枚買っても当たらない人がいる。それが現実でしょうね……。少なくても、問題がないわけではないようです。
感謝とお願い (小田美智子)
2011-05-28 18:27:48
『死にいたる虚構』と『放射線の衝撃』を再版させていただいている「PKO法「雑則」を広める会」の者です。丁寧なご紹介をしていただき感謝です。2冊とも「非売品」というのは正しいのですが、実費でお分けしていますので、ぜひ、お手元に置いてお読みいただきたいのです。その旨も紹介いただけるとなお嬉しいです。よろしくお願いします。5・28

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