あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 024 落ち込むオカネスキー --茜は走っていた。 走っていると、酔いがまわり、すっかり、なぜ走らなければならかったのを忘れてしまった。 そして、一昨日のことを思い出していた。 --それは楽しい出来事であった。 そう、酔っぱらう頭でそんなことを考えていた。 あたし、西崎 茜は西崎グループのオカマバーで、オカネスキーを励ましている。 なにしろ、オカネスキーはひどい失敗をしてしまったのですから……。 どんな、失敗かって、簡単に言ってしまうと、未完成と言おうか、不良品のタイム・マシンをつくってしまったのよ。 その不良品をわたしが乗って五十年後の世界に行ったわけよ。 --時間旅行は楽しかったかって? そんなことは100パーセントなかったわ。 なにしろ、不良品のタイム・マシンよ。 未来の世界にはたった3分しかいられないのよ。 それなのに、現代に戻れば、50年後の肉体、つまり70歳の肉体になっていたのよ。 わたしはひどく驚いたわよ。 まったくひどい目にあったらしいのよ。 あったらしいとは、わたしは若い肉体をとり戻すために、過去にもどったわけよ。 過去にもどれば、肉体は元のようになるけれど、その時は、過去の時点の記憶しかないのだから、わたしには70歳の肉体になっていたときの記憶はないのよ。 でも、70歳になったとき、70歳の気持ちなんて、まったくしなかったのだから、どうなっているのかしら。
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