磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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シリーズ・戦争の証言6 東京空襲下の150日-帝都炎上-

2009年05月06日 | 読書日記など
『シリーズ・戦争の証言6 東京空襲下の150日-帝都炎上-』
   茂原照作・著/太平出版社1974年、1989年7刷

東京大空襲は1945年3月10日が有名ですが、空襲はその日だけではなかった……。



紙幣も……。下「」引用。

「この紙幣はなんともつまらぬものだ。珍しいだけでへん安っぽい。ぼうだいな軍事費支出に硬化材が不足し、その補給発行にちがいない。戦争財政運用に当面する国家の現段階を、この小額紙幣が十二分に物語っていて胸が痛い。」

経済力なくして、戦争はできませんね……。
--軍事のみ聖域にして、さらに軍事費だけをあげようとする日本の政治家・企業家・官僚……。
大本営発表のようなことも、彼等はつづける……。
このような分野だけに限らないのですが……。

降下したアメリカ兵……。下「」引用。

「三日の来襲敵機から落下傘で降下したアメリカ兵は、西新井地区へ八名一団となつて降りたといわれ、一名が荻窪方面へ降りたともいわれる。山田曹長がこの夜語るのによれば、前者は七名、他の一名は千葉県小見川へ降りたという。そのかれらの携行品の中には釣針、刺身包丁のようなものまであるという。まるでハイキングではないか。」

もちろん、海近くではないので、釣りに降りたわけではない……。

家財売却申請書……。下「」引用。

「区役所で区民の家財道具を買い上げ実施というので照会すると、疎開者のものに限り取扱うというにべもない返事だ。これでは先頃から室橋組長を通じて連絡された話とまるで違う。私はとりあえず一棹のタンスを区の家財売却申請書に書いておいたが、これでは見送るほかない。」

今よりは親切だろう……。

--12月25日(大正天皇祭)
内容は書かれてなかった……。

ヒトラーとプロシャ軍。1945年1月2日。下「」引用。

「この夜、守山特派員(「朝日」ベルリン支局長)が語る「戦うドイツの状況」を聞く。なかで耳をうたれたのは、長い歴史と伝統のなかにたてこもっていたプロシャ軍を、ヒトラーとゲッペルスが中心になり、ついにナチス国防軍に色を塗りかえ、精神面からも組織がえに成功したという一事だ。プロシャ軍がこれまで独自の統帥権を楯に、政府との間に一線を画して鉄の規則を誇り、祖国の守護神をもって任じていたことじたい、おかしなものだ。それが一民族一国家のナチス政権に直属統一されるのはもとより当然で、むしろおそいくらいといえよう。」

特攻は兵士だけではなかったようだ……。下「」引用。

「しかし国が資本主義機構のうえに立って、戦時財政健全化のために庶民に大増税をかけてインフレ防止に努めるのと、同じ条件の下で社が社員に特攻精神を求めるのはむろん相通ずるわけだが、資本主義自由主義機構のなかで物資の生産・配給が騰勢されていることの矛盾、つまりは資本家にあらざる社員・多数庶民が下敷きにされていることは、社員として深く批判は許されぬが、多くの関心を持たざるを得ぬ。」

もしかして、今の雇用体制も特攻なのかもしれない……。家族や子どもを持てないというのだから……。
--同じような冷血で傲慢でペテン師の二世・三世・四世の政治家が政権を握っているのだから、それも自然な流れなのかもしれない……。

この当時の共産党員は人間的だった……。下「」引用。

「先年、佐藤正二氏の出征送りに、日劇地下の喫茶店で高倉テル氏が声をひそめ、「死なないで帰ってください」といったのを、この頃妙に思い出す。あれは反戦共産党員のいい分だが、空襲で死ぬなど、ばかの骨頂だ。ともかく国に政治がない。国民の士気を鼓舞する言葉だけで施策がゼロだ。現状では、国民をずるずる暗い深淵に引入れていくだけだ。」

最大の被害3月10日。下「」引用。

「どこもここも敵来襲以来最大の被害だろう。
 今朝山田曹長は、一二○機来襲、三機撃墜と語っていたが、正午の大本営発表では一三○機来襲、うち一五機墜落、五○機撃破という。」

大本営発表はやはりウソだろう……。

「あとがき」 下「」引用。

「この日記は、私が「昭和」初年から東京都麹町区飯田町一丁目一五番地一(戦後の区町名変更で現在は千代田区飯田橋一丁目一五番地一号)に住んでいて、第二次世界大戦中の一九四四(昭和一九)年一一月一日からのち、米軍機の連続的な空襲を受け、翌四五年三月、この場所が軍命によって強制疎開命令が出されるという話が伝わって、三月末に生地群馬県に移住するまでの、わずか五か月たらずのあいだの日記です。-略-
 一九七四年一月」







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