あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 ![]() 021 痴漢と変態!? 「お金持ちって言われても、お小遣いはお小遣いですもんね」 「すねかじりはすねかじりなのです……」 「そうよ、クレジットカードもたされていても、何を遣ったかわかるんですものね」 「また、飲み代で、こんなに遣って、あなたたちって、飲ん兵衛になるために大学に入ったの? なんて言われるのよね」 「わたしの所はそんなことは言われないわ」 「いいわね」 「いいことないわよ。放任主義なんて父はいっているけど、本当は何もしない主義なのよ。お金さえ与えておけばいいと思っているのよね。それでもよく人間の親やっていると思うわ」 その隣にはアルバイトが終了した小一郎たちのグループが集まっていた。 「今日さ、大学でビラ配ったんだよ」 「ほー、それで反応はどうだった」 「異常な感じでみられたよ。何、ウーマン・リブって、ウーマン・リブじゃないのに……。ウーマン・リブは有名なんですけど、マン・リブはマイナーですよね」 「そりゃ、そうだろうなあー。男性にもいろいろいるってことを知らないんだろう」 「弱者である男性たちが集まって努力を重ねているわけじゃないよ、そこんのところは、しっかりと認識しないといけないよ」 「そのとおり! ウーマン・リブも女性の権利を増長させるだけでは、それは圧力団体とかわらない。差別をなくすなんて、大義名分は使えない」 「ごもっとも!」 叫び声をあげて、手をたたく。 まるで、応援団長……。 「あの、吉田さん、増長はいけないんじゃないですか。増長じゃなくって、差別撤廃ですよね、その結果として女性の権利が高められるというわけです」 「その通り、それが大切なことだ。差別反対というなら、すべての差別に反対しなければならないのである。アメリカの黒人の市民権の運動には白人が多く参加していた。それは平等をめざす人たちなら、白人も黒人もないからだよ」 「ところが、日本の女性運動は男性は入るな! という人たちもいるんだ。大きな間違いだよ」 「大下さん、女性運動に加わろうとして、痴漢扱いされたんでしょう?」 「痴漢じゃないよ、変態だよ。まったく、男性差別をしたがるんだよなあー。平等っていうのは、相手と戦うだけじゃ得られないとい思うよ、話し合うことが大切なことなんだよ」 「そうだけどさ、大下さんが、女性運動に加わろうなんて、そらー、痴漢扱いされても仕方がないですよ」 「痴漢じゃないっていうの、変態!」 「どっちも変らないじゃないですか?」 「変るよ、変態は趣味だけど、痴漢は犯罪だよ」
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