磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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シリーズ・戦争の証言16 沖縄戦敗兵日記-玉砕戦一等兵の手記-

2009年05月02日 | 読書日記など
『シリーズ・戦争の証言16 沖縄戦敗兵日記-玉砕戦一等兵の手記-』
   野村正起・著/太平出版社1974年、1978年3刷

「I 沖縄戦前夜--序にかえて」 下「」引用。

「一九四四年(昭和一九)年八月五日の朝、沖縄本島那覇港内港に上陸した同島守備部隊の一部支隊は、その規模においてゆうに一個師団を上回る大部隊であった。
 わたしは、このなかに混じっていた海上特科隊--曉一六七四四部隊(船舶工兵第二六連隊)の兵であったが、いまもなおわたしの脳裡には、そのときの情景が髣髴とよみがえってくる。
 この大部隊によって埋められた内港の岸壁には、大発動艇(大発)が蝟集していた。そして沖合には駆逐艦数隻と貨物船十余隻の船団が並び、空には数機の偵察機が旋回していた。-略-」



景観の美しさ……。下「」引用。

「町の東方は田園地帯となって、遠くの山際までそれが続いていた。その山麓には、防風林に囲まれた赤瓦葺き屋根の民家が点在し、付近にはバナナやパパイヤが一杯実って、本土の古代にもあった稲束を収録する高い納屋倉(高倉)が、特異な景観の美しさを見せていた。」

食料……。下「」引用。

「そんなある日曜日の午後、外出していた井出と起田が、「もらってきた」と、大きな黒豚を校内に追い込んできた。
 住民が、兵ににわとり山羊をくれることはよくあることであったが、それにしても豚は高価すぎた。-略-」

第32軍……。下「」引用。

「牛島中将は、重厚な人柄で、戦闘開始以来、平常と少しも変わらぬ静かな態度で悠然としているそうだ。やはり、一軍の司令官たるの器であろう。
 長中将は、豪放磊落な豪傑肌で、いかにもにぎやかに派手にふるまう人であるという。中将は、軍司令部壕入口に、「天の岩戸戦闘司令所」と、自分で墨書した大きな木札を掲げているそうだが、なんだか神がかり的な一面がうかがえるようで、わたしには好きになれないタイプである。
 八原大佐は、知性的ないかにも冷静な人であるという。年齢も若く、戦術の知識は陸大の優等生らしく、駐アメリカ大使館付武官でもあったそうだ。アメリカ軍を相手の作戦に関しては、もっとも信頼のおける人ではなかろうか。
 牛島中将、長中将、八原大佐、この対蹠的なコンビで、第三二軍は、アメリカ軍を相手に果たしてどのように戦っていくのであろうか。」

スパイと迷信……。下「」引用。

「不安な明け暮れのなかに、「沖縄人にはスパイがいる!」という声がしきりに流れる。戦況の不利と、島内の混乱を思い合わせると、あながちデマでもなさそうである。
 迷信が流れる……、そして、縁起を担ぐ者がでてくる。-略-」

衛生兵は重宝されたという。下「」引用。

「「あいつはハッタリだ!」とも馳平はいった。たしかにかれは、衛生兵としてはあまりにも未熟である。多分、衛生兵が敗残兵の間で重宝されることを意識してのかれの演技であろうと思う。」









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