磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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チェルノブイリからの証言

2008年09月21日 | 読書日記など
『チェルノブイリからの証言』
   ユーリー・シチェルバク(著)/
     松岡信夫(訳)/技術と人間1988年

歴史のことも理解されているようです。下「」引用。

「チェルノブイリはフランス大革命の歴史にも、思いがけない形でちらりと名前を出している。シャコバン党の独裁当時、チェルノブイリ出身の二六歳の美女、ポーランド人ロザリヤ・リュボミールスカヤ・ホドケヴィチは、一七九四年七月三十日、革命法廷の判決によって断頭台の露と消えた。マリー・アントワネットをはじめとする王室の人たちとのつながりが罪とされたのだった。「チェルノブイリのロザリヤ」と呼ばれた青い瞳のブロンドの美女は、こうし現代にまでその名をとどめている。」

ハマーとゲイル博士のことが書かれています。下「」引用。

「新聞報道から
「五月十五日ゴルバチョフ書記長はクレムリンで、有名な米国の実業家で社会活動家のA・ハマーとR・ゲイル博士を接見した。書記長はチェルノブイリ原発事故というソ連人民の災厄に対して、この二人が示した同情、理解、そして手早い具体的な援助に対して深い感謝の気もちを表わした。ゴルバチョフ書記長は、ソ連人民が二人の行為のなかに、米ソ両国の指導者に政治的賢明さと意思があれば両大国の国民間に築かれるであろうモデルを見ている、と強調した。」(「プラウダ」86・5・16)」


「戯曲『石棺』の作者、グーバレフの話」下「」引用。

《チェルノブイリではありとあらゆることが起こりました。あの付近へ行くと、私も辛い気持もちにさせられる。あのできごとはわが国の歴史上三番目に重要な意味を持つものだと思う。
 第一は(一三~一五世紀の)蒙古続・タタール続によるロシア支配です。われわれはTatarの大軍と蛮行から、身をもってヨーロッパを守った。第二はファシズム。われわれはファシズムからヨーロッパを救った。そして現在われわれはとても高い代償を払って、人類の未来の安全を保障している。
 チェルノブイリの悲劇は、まさに「原子力平和利用」の分野で、原子力のすさまじさを見せつけられたことにある。」

さらに、このことからグーバレフは教訓をえる。下「」引用。

「いちばん大切なのは、これらの教訓をソ連の若い人たちにとってむだにならないようにすることです。-略-しかも危険なものです。それは人間に対して新しいレベルのものの考え方、知識を要求しているのです。何よりも大切なのは、新しい技術にどんな態度で接するかということです。」

それに反して、マッドドクターと呼ばれるロバート・ゲイル博士。下「」引用。
「米国とソ連で発生したすべての事故の原因を分析してみると、それが原子力そのものからではなく、人間の誤りから生じていることがわかります。」


『チェルノブイリからの証言 続』
   ユーリー・シチェルバク(著)/
      松岡信夫(訳)/技術と人間1989年

「科学信仰」の崩壊……。下「」引用。

「あの第四ブロックが鉄筋コンクリートで覆いかくされた時、われわれの「科学信仰」「技術信仰」は崩れ去った。」


ウクライナ総主教は語る。下「」引用。

「黙示録で定められた終末の時がいつくるかを、人間は知らなくともよい。キリストはこう言っていいます。終末の日時を、人の子もまた天使たちも知ってはいない。ただわれわれの父、すなわち神のみが知っているのだ、と。」


歌謡コンクール作品にも影響が……。下「」引用。

「歌謡コンクール部門で第一位になったのは「風よ、ウクライナから吹くな」、第二位はA・プガチョーフの「黒雲よ、飛び去れ」、第三位はV・レオンチェフの「そしてみんな逃げる、逃げる、逃げる」だった。」

ゲイル博士は過小評価する……。下「」引用。

「米国のR・ゲイル博士はソ連側がIAEA(国際原子力機関)に提出した報告を非常に高く評価した。かれはソ連が意外にもチェルノブイリ事故の影響をかなり暗く評価していると述べた。“ロシア人はチェルノブイリ事故の結果、全世界で約一五万人がガンになり、そのうち半分が死亡するものと考えている。この数字はひじょうに水増しされたものだ。私の考えでは、この数字は一○分の一の大きさになるはずである”とゲイル博士は指摘した。かれはさらに、もしこれを過去七○年間の喫煙と石炭燃料の利用にともなう発ガン数と比較するならば、それほど大きな数字ではないと言った。ゲイル博士によれば、チェルノブイリ原発事故の影響による総発ガン数は、わずか一パーセント増えるにすぎない。」

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