『女性史を拓く-国立市公民館女性問題講座「歴史」-4 「慰安婦」問題と戦後責任』
鈴木裕子・著/未来社1996年
帯に書かれてあります。下「」引用。
「日本軍「慰安婦」問題が40数年間不問に付されてきた背景とは。侵略と加害の認識を欠落させた歴史観、被害者意識の戦争観がどう作り出されてきたかを歴史的事実に沿って検証。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/f4/47416ab7b1a15a207988fae7df141c33.jpg)
靖国神社の宮司は元軍人(大将)、鈴木孝雄がなっていたという。
index
「東久邇宮の登場と「一億総懺悔」論」 下「」引用。
「東久邇宮内閣は言葉では言論の自由をいっていますが、実際は弾圧法規を強化している面があります。また敗戦後であるのに、軍需生産にたずさわった軍需会社にたいする未払金及び損失補償金の支出を積極的に推進した内閣です。」
朝日新聞1945年8月30日。下「」引用。
「このなかにあの有名な「一億総懺悔」論といわれるくだりが出てくるわけです。-略-」
無責任な「一億総懺悔」論。下「」引用。
「政府の責任、軍部官僚の責任、総じて戦争を遂行し、指導してきたグループの責任を全部民衆に転嫁しているのです。」
転嫁……。下「」引用。
「民衆を非常な苦しみに陥らせた政治指導者あるいは軍部指導部の責任については一切触れられていません。のみならず、「一億総懺悔」論に見られるように敗戦の責任を全部「国民」に転嫁しているのです。そして、以上の点についての支配側の工作をマスコミも一緒になって粉飾・加担しているということです。さらに最後の大事な点として日本が侵略した加害責任を持つ相手国であるアジアの民衆のことはまったく目が向いていないのです。アジアの民衆のことは一言も出てきていません。わずか一週間の間の新聞記事をみることで、こんなことがわかるのではないでしょうか。」
もくじ
「特別挺身隊」 下「」引用。
「RAAが一番盛んだったときの「慰安婦」たちは全国で五万人いたといわれています。相当な数です。日本全国にどれだけの連合国の駐屯地があったか、ちょっといま調べていませんが、それでいきますと位置駐屯地当たり何人というのが出てくると思います。当局がこの女性たちに名づけた名前、奉った名前がなんと「特別挺身隊」なのです。」
朝鮮戦争で「洋パン」の数は12万5000人に膨れあがったという。
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満州開拓団のソ連兵の女子挺身隊(開拓団「慰安婦」)……。下「」引用。
「ある開拓団では、敗戦の年の九月下旬、数え歳一四歳から二一歳の女性たち(ちょうど「慰安婦」にさせられた女性たちの年齢とほぼ重なりますが)を開拓団本部の裏に呼び出し、低い声で、女子挺身隊としてソ連軍宿舎にいってほしいと言った。娘たちのなかから挺身隊の意味を尋ねる声がでた。そうすると、五○代の副団長は兵隊の慰安だ、と答えた。「国を救うために挺身すべし」命令ですね。そこにいた二○人ほどの娘たちはどよめいた。なかには、いやだいやだといって抵抗した人もいたと思いますが、国のためだ、といわれなだめすかれさて、結局、いうならば開拓団「慰安婦」にさせられたわけですね。」
もくじ
日本人の発想……。下「」引用。
「まさに同じ時期、日本の国内、または「外地」と呼ばれる植民地等で、日本の男が同じ日本の女性にそういうことを強いた、そういう発想があったということです。ですから、状況が変われば、日本の女でもいくらでも「慰安婦」にさせられたのです。もうまさかの段階では朝鮮半島の女性たちを「慰安婦」にすることできないわけですから、そうすると、日本の若い女、というふうに考えたのですね。それは、近衛文麿からはじまって日本軍の軍医、あるいは開拓団の幹部たちに、共通する発想であり対応であったということがいえると思います。」
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鈴木裕子・著/未来社1996年
帯に書かれてあります。下「」引用。
「日本軍「慰安婦」問題が40数年間不問に付されてきた背景とは。侵略と加害の認識を欠落させた歴史観、被害者意識の戦争観がどう作り出されてきたかを歴史的事実に沿って検証。」
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靖国神社の宮司は元軍人(大将)、鈴木孝雄がなっていたという。
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「東久邇宮の登場と「一億総懺悔」論」 下「」引用。
「東久邇宮内閣は言葉では言論の自由をいっていますが、実際は弾圧法規を強化している面があります。また敗戦後であるのに、軍需生産にたずさわった軍需会社にたいする未払金及び損失補償金の支出を積極的に推進した内閣です。」
朝日新聞1945年8月30日。下「」引用。
「このなかにあの有名な「一億総懺悔」論といわれるくだりが出てくるわけです。-略-」
無責任な「一億総懺悔」論。下「」引用。
「政府の責任、軍部官僚の責任、総じて戦争を遂行し、指導してきたグループの責任を全部民衆に転嫁しているのです。」
転嫁……。下「」引用。
「民衆を非常な苦しみに陥らせた政治指導者あるいは軍部指導部の責任については一切触れられていません。のみならず、「一億総懺悔」論に見られるように敗戦の責任を全部「国民」に転嫁しているのです。そして、以上の点についての支配側の工作をマスコミも一緒になって粉飾・加担しているということです。さらに最後の大事な点として日本が侵略した加害責任を持つ相手国であるアジアの民衆のことはまったく目が向いていないのです。アジアの民衆のことは一言も出てきていません。わずか一週間の間の新聞記事をみることで、こんなことがわかるのではないでしょうか。」
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「特別挺身隊」 下「」引用。
「RAAが一番盛んだったときの「慰安婦」たちは全国で五万人いたといわれています。相当な数です。日本全国にどれだけの連合国の駐屯地があったか、ちょっといま調べていませんが、それでいきますと位置駐屯地当たり何人というのが出てくると思います。当局がこの女性たちに名づけた名前、奉った名前がなんと「特別挺身隊」なのです。」
朝鮮戦争で「洋パン」の数は12万5000人に膨れあがったという。
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満州開拓団のソ連兵の女子挺身隊(開拓団「慰安婦」)……。下「」引用。
「ある開拓団では、敗戦の年の九月下旬、数え歳一四歳から二一歳の女性たち(ちょうど「慰安婦」にさせられた女性たちの年齢とほぼ重なりますが)を開拓団本部の裏に呼び出し、低い声で、女子挺身隊としてソ連軍宿舎にいってほしいと言った。娘たちのなかから挺身隊の意味を尋ねる声がでた。そうすると、五○代の副団長は兵隊の慰安だ、と答えた。「国を救うために挺身すべし」命令ですね。そこにいた二○人ほどの娘たちはどよめいた。なかには、いやだいやだといって抵抗した人もいたと思いますが、国のためだ、といわれなだめすかれさて、結局、いうならば開拓団「慰安婦」にさせられたわけですね。」
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日本人の発想……。下「」引用。
「まさに同じ時期、日本の国内、または「外地」と呼ばれる植民地等で、日本の男が同じ日本の女性にそういうことを強いた、そういう発想があったということです。ですから、状況が変われば、日本の女でもいくらでも「慰安婦」にさせられたのです。もうまさかの段階では朝鮮半島の女性たちを「慰安婦」にすることできないわけですから、そうすると、日本の若い女、というふうに考えたのですね。それは、近衛文麿からはじまって日本軍の軍医、あるいは開拓団の幹部たちに、共通する発想であり対応であったということがいえると思います。」
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