磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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早乙女勝元小説選集12 あした私は行く

2009年05月08日 | 読書日記など
『早乙女勝元小説選集12 あした私は行く』
   早乙女勝元・著/理論社1981年

大人の小説です。工場勤務している人たちの話です。
今も派遣ぎりなんてことが話題になりますが、当時からある問題です。
でも、言葉をかえていますね。



--テレビのニュースでも、歴史というよりも、自らも生きていた時代のことすら、記憶にないようなテレビの人たち……。彼らは本当に人間なのでしょうか? CGで書かれたキャラでしょうか?

--配転命令
工場で働くピカちゃん。
コンベアーなどがでてくるが、工場で働く苦しさは書かれていない気がボクにはする……。
人間的ではないシステムとボクは思うが……。

百万円住宅……。下「」引用。

「敏夫が足をとめたのは、それらの実物住宅のなかの、さいごの展示です。
「なあに、これ?」と、たずねますと、
「新聞に出ていた“百万円住宅”だよ」
「百万円で、この家、まるごと買えるの?」
「そう」-略-」

時代が異なりますね……。

本工と臨時工。下「」引用。

「おなじ屋根の下、いっしょに肩をならべて何年も仕事をしてきた仲間を、おまえは本工、あなたは臨時工。ひまになってきたから、臨時の四十三名様は、ハイさようなら……それが会社の都合なら、私たちの都合だってあっていいはずです。そうして双方の都合をつきあわせて、最善の道を考えるのが、人間社会のきまりなのではないでしょうか。-略-
 でも、弱肉強食のこの時代に、弱い者がひとつのスジを通すということは、そうかんたんなことじゃありません。一人では、だめなんです。ピカちゃんの配転をくいとめたのが、第九ラインのみんなの力であったように、-略-」

寮母だった美保の母は入市被爆……。下「」引用。

「おかあちゃんは、あの朝、岡山県境に近い広島県比婆郡の八幡村とかというころで、集団疎開の学童を世話する寮母をしていたのです。広島から約百キロもはなれた山村からは、閃光も、キノコ雲も見えなかった。広島が大空襲を受けたとだけ知らされ、学童の家族を案じて応援隊に加わり、広島へついたのが七日の午後三時すぎ、郊外へ逃れようとする被爆者の群れをかきわけるようにして、爆心地付近を通りぬけた……といいますが、もしかして、その体験が、おかあちゃんのガンを進行させたのではないでしょうか。」

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