磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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ソフトバンク新書057 テレビ霊能者を斬る

2008年02月23日 | 読書日記など
『ソフトバンク新書057 テレビ霊能者を斬る
  メディアとスピリチュアルの蜜月』
    小池靖・著/ソフトバンク クリエイティブ2007年

ボクはこのようなことも、やはり平和とからめて読んでしまう。ナチスのヒトラーも、占いなどにこっていたオカルト好きだったというし、軍拡論者のレーガン大統領もやはり占い好きだった……。そして『権威主義的パーソナリティ』の本でも、ファシズム尺度では、ファシストとしての潜在的なものをもっている人たちは占いに頼るようである……。



星占いというのも、天候などから発達したものですね。

農業ではとても役立つ。

しかし、だからといって、占いのいっていることは現実的なことではないことが多い。

そして、そのテクニックさえあり、信じこませようとする……。

なぜ占い師は信用されるか?

図解版 なぜ、占い師は信用されるのか?


この本で気に入らない点は、マスメディアの責任は追及せず、江原や細木などにだけ焦点をあてているところが、宗教社会学の学者としては、寂しいものがありました。

こういう本を出してくれたのは、大変よいことだと思いますが……。


この本の最初でこう書かれてあります。下「」引用。

「格差や社会不安が広がる現代日本において、お茶の間にまで霊的な話題が進出しているのである。
 本書では、テレビで霊能を発揮する人物たちを仮に「テレビ霊能者」と名付け、なぜ彼らは人気を博しているのか、その人気は、現代日本人のどのようなニーズの反映なのか、彼らの背景にある思想は何なのか、そして、メディアとテレビ霊能者の親和性(結びつきやすさ)などについて、宗教社会学の知見も活かしながら論じていきたい。」

不安な社会となり、その不安を癒されたいからと、占いに頼る……。
--格差社会で将来の不安があっても、自分だけは、占いで助かろうとする……。
弱者は足蹴にするものと思っているのか?

オウム事件でも、その不安をつかれた理工系のエリートたちがひっかかった……。
--『原発は安全』と今も繰り返す東大教授たち……。
この人たちにも責任はなかったのだろうか?

この文章には納得いかない。下「」引用。

「不幸せというわけではないのですが、こんなはずじゃなかったという思いがあります。結婚して幸せになりたかったのですが、婚約が何度も駄目になってしまって、そんなときに江原さんの著作に出会いました……」
    (河合香織「相談相手は、友達よりも“霊”がいい」)」

友達より“霊”がいい?

どこに霊があるのか?
--もしかしたら、妄想ではないのか?
友達にも“霊”にもいろいろあるのでは?
--“霊”があったとしても“悪霊”というものもあるそうだ……。
文豪の小説のタイトルを思い出す。
--しかし、あれもキリスト教抜きで語ることはできないと昔の学者ならいうだろう。


細木数子の「年収30億円」ぐらい。(週刊朝日・2007年1月5・12日号)


いくらお金があっても、無駄なところに使われては豊かな社会などにはなりえないでしょうね。


ナチスが救いと思った人たち……。

オウム真理教が救いと思った人たち……。

丸山真男は戦中のことを取り上げていたと思うが、国家神道も似たようなものであり、そのネオたちも同様……。

今も、その人たちがネット社会でも暗躍している……。

気をつけてください。


江原や細木にだすお金を、お金にこまっている友人に、夕食でも誘ってあげてください。

その人がいい人なら、おそらく、もっと幸福をくれますよ。

でも、お高くとまっていたら、逆に嫌われますよ。念のため……。


芸術も妄想かもしれない。

しかし、他者を思いやる心があるとボクは思う。

それが、インチキ霊能者たちにはない。


【千の風になって(宝塚歌劇)】2005/1/17 Takarazuka Charity concert




難解な専門書ではなく、読みやすく、よくまとめられた本といっていいかと思います。








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