あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 014 欲望の海のなか 「今日は不愉快だったわね」 「そうね、あのマン・リブっていうのをやっている奴でしょう」 「そうそう、奴よ!」 「ウーマン・リブなら聞いたことがあるけどさ、何がマン・リブよね。女性の地位は低いのよ。女性は差別されているのよ、就職でも女子大生の方が大変なのよ」 「でも、わたしたちには関係ないけどね」 茜たちは、お金持ちのお嬢様なのである。 男女の差よりも、地位の差、貧富の差で優位にいるのだ。 「でもさあー、何だか、あいつ、目がきれいだったと思わない」 「目がきれい? 視力悪かったんじゃないの。コンタクトするの忘れていたんじゃないの」 「そんなことないわよ」 「あら、あなた、あんなのが趣味なの……」 「趣味で恋愛はしないんじゃなくって」 茜の鶴の一声だった。 --一同は静かになった。 でも、これから合コンに行く人のいうことではないのではないかと、一同はすぐに思いはじめる。 「あら、茜、合コンで彼氏を見つけるのなんて、趣味も趣味でいいとこなんじゃないの……」 「あら、合コンは暇つぶしよ」 「そうだったの、知らなかったわ」 「今日は、お医者さんの卵なのよ、医院長夫人なんて、将来、悪くはないんじゃないかしら……」 「まあ、やぶ医者で逮捕されない限りは、それもいいんじゃないかしら……」 「それに、昔とちがって、医者の招来も暗いそうよ」 「そうらしいわね。切れるところは切ろうというので、そろそろ狙っているというじゃないの……」 もし、彼女たちが医師としてやっていくのなら、男女の差を強く感じることだろう……。 とくに優秀で学界と関わることがある医師ならば、なおさら男女の差、つまり性差別を感じることだろう。 しかし、寄生して生きることとなれば、別に何の意味もない。 お金がありさえすればいいとなる……。 この人物たちが、性差別を感じないというのは、社会に生きていないからであって、欲望の海のなかに溺れているからであろう……、そう小一郎は思ってみている……。
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