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密約-外務省機密漏洩事件-増補版

2010年04月20日 | 読書日記など
『密約-外務省機密漏洩事件-増補版』
   澤地久枝・著/中央公論社1978年

「密約」も政府が嘘をつきとおしたと証明されたといっていいだろう……。
それだけで終わっては異常だろう……。
--非常に「悪意」がある組織犯罪であり、その予防をこうじなければいけないし、謝罪も関係者にしないとならないだろう。



法廷からはじまる……。下「」引用。

「昭和四十九年一月三十一日--。いつもと同じ、東京地裁第七○一号法廷。いつもと違うのは、記者堰も傍聴席もギッチリ満員で、うしろの方に立っている人さえもあることぐらいだろうか。-略-西山記者と、断髪の髪がすっかり前に落ちかかるほどうなだれた蓮見元外務事務官。まず、判決の主文がいいわたされる。
 --被告人、蓮見喜久子。懲役六ヵ月。-略-」

福田外務大臣。下「」引用。

「いま三億一千六百万ドルという数字が交渉の過程であったという話でありますが、それは大蔵大臣としての私は招致しておりませんです。まして、総理大臣がそういう数字をご存じであるはずがあろうとは思いませんでございます。」

裏取引なしと福田外務大臣。下「」引用。

「-略-つまりこまかいいきさつは私はまだ聞いておりませんけれども、結論において裏取引というものは一切ないと、これだははっきり申し上げます。」

「ファシズム」と叫ぶ声。下「」引用。

「矢山委員は「これは報道を権力によって統制することになりはしませんか。……あなたの論法でいくと、どの文書でもいいから極秘の判こさえ押しておけば、これは、それを外で発表したやつはみんな国家公務員法違反だといって刑事訴追できることになりますね」といい、野党席からは「ファシズムだ」と叫ぶ声があがった。
 上田哲委員は、西山記者逮捕は「報道の自由に対する公権力の乱用である」として佐藤首相の見解を正した。-略-」

「終り」はつねに「はじまり」。下「」引用。

「しかし、もしすべてを見通した上で、蓮見さんがあえてひとつの役割を選んだのであるなら、すべては取ろうであったことになる。徒労であったとはまだ思いたくない。
 裁判は終った。「終り」はつねに「はじまり」である。最高裁決定によって《密約》事件がひとつの決着をみた今、いかに民主政治を守り育ててゆくのか、私たち自身が問われる新しい局面が目の前にある。《密約》裁判に集約されるすべての課題を背負って、私たちは新しい日々、新たな出発に直面しているというべきではないのだろうか。」

そして、政権がかわり、「密約」があったことは証明されたといっていいだろう……。

その後の「はじまり」の方が大切であることは、書くまでもない。

組織犯罪に時効なし……。逃げ得は許さない!

そういう姿勢がないと、無理だろうとボクは思う……。







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