磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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軍神-遺された女たちの十字架-

2009年01月15日 | 読書日記など
『軍神-遺された女たちの十字架-』
   佐藤早苗・著/光人社1983年

帯に書かれてあります。下「」引用。

米戦艦ウエスト・バージニアに突入した特攻ゼロ戦が、甲板上に残した“奇蹟”の一挺の機銃が繰りひろげる。秘められた人間ドラマ謐 取材2万キロ、5年の歳月を費やし、遂に探り当てた一青年士官の“魅せられたる魂”の軌跡を描く感動のノンフィクション!」



■目次・主なものだけ■
第一話 奇蹟〈酒井正俊海軍少佐の母・姉妹〉  9
第二話 濁川〈小林国治海軍中佐の妻・妹〉  57
第三話 手紙〈千早猛彦海軍大佐の妻〉  107
第四話 訣別〈有賀幸作海軍中将の妻〉  139
第五話 遺髪〈安田義達海軍中将の妻〉  197
 エピローグ〈東條英機陸軍大将の妻〉  253

証言により、信じているという……。下「」引用。

「酒井家の人々が、ウエスト・バージニアに突っ込んだゼロ戦は、正俊に絶対に間違いないと信じ切っているのは、この後藤の証言によるものだと思われる。」

ウエスト・バージニアにつっこんで爆発したが、写真が残っているという。
その写真は長岡の芸者さんとうつっているという。
--これは証拠では?

特攻しか道がなかった……。下「」引用。

「私は江田島の資料館に展示されている特攻隊員たちの遺書を何度か読んだことがある。そこでいつも特攻隊の遺書のパターンを見て思うのだが、いかに帝国主義の時代とはいえ、当時の青年は、ほんとうにこんなふうにしか考えていなかったのか、ほんとうに自我も個性も思想もなく、従順であつたのかといささかならず驚いていた。涙をさそう遺書ばかりであり、その涙はあわれ、かわいそう、に対する涙でしかなかった。
 だが、いまにして思えば、そう書かざるを得ない事情があったのではないかと思える。特攻にしたがったのも、そうするしか道がなかったのであろう。」

前夜、何もない大和の艦長室……。下「」引用。

「戦艦「大和」副長だった能村次郎氏。出撃の前夜艦長室にはなにひとつなく整理されていたという。」

生き残りではなく、死にそこないだったという……。下「」引用。

「神風特攻隊の生き残りの中には、戦争に敗れ、家はなく、食べ物も着るものもない瀕死の日本国内を、暴れまわり、荒らしまわった者もいたという。彼らは生き残りではなく、死にそこないだといわれたほど、死ぬために用意されていた命であった。」

Index

軍神というのは……。下「」引用。

「太平洋戦争で、もっとも勇敢で偉業をなしとげた軍人を、お上は軍神と名づけた。多くは神風特攻隊のように、命令によって身を挺してお国のために突撃したものたちにあたえらたる
 命と引きかえに、「二階級特進」の栄誉と「軍神」の称号をもらったのである。したがって、どんな輝かし実績をあげても、生きて帰ってはもらえないという、じつに日本的な軍事制度である。」

心の内までは、入っていけなかったようだ……。








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