磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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こうして原発被害は広がった-先行のチェルノブイリ-

2011年08月28日 | 読書日記など
『こうして原発被害は広がった-先行のチェルノブイリ-』
   ピアズ・ポール・リード(著)/
     高橋健次(訳)/文芸春秋2011年

検証チェルノブイリ刻一刻」(1994年刊)の改題,加筆



表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「フクシマも日本も、同じ道をたどるのか。
原子炉の爆発から放射能飛散、必死の封じ込め作業、急性被曝による死、
情報統制、大規模避難、被害補償、政権内の暗闘……。
事故処理で失策・無策を重ね、国民の信頼を失ったソ連は崩壊へ。
レベル7--最悪の状況で、ひとはどう生き抜いたのか。
-略-緊急復刻!」

スリーマイル……。上から命じられたことをそのまま信じる……。下「」引用。

「スリーマイル・アイランド事故の情報がどこからともなく伝わってきても、チェルノブイリ運転作業員たちにとっては、いつも聞かされてきたことはやはり本当のことだと確認できただけのように思えた--資本家たちは利潤を失いそうになると、非常にも地元住民の安全を犠牲にするほうを選ぶというわけだ。作業員たちは共産主義教育を受けて育ち、上部から命じられたことはそのまま信じて受け入れるように教えられ、おまけに、あらゆる分野にはりめぐらさせた検閲制度のおかげで疑念はいっさいもたなかったので、モスクワの高名な物理学者たちが与える安全保証についても疑問をさしはさむようなことはなかった。」

ハマーとゲイル……。下「」引用。

「ハマーもロシアから移住しユダヤ人の子どもで、ゲイル本人と同じように、医学を学んで医師になった。のちにゲイルを駆り立てることになったのと同じ愛他心から、ハマーは一九二一年にロシアに渡ってチフス患者の治療にあたった。ハマーはそこでレーニンと出会う。レーニンは「新経済政策」のことがあたまにあったので、自分の国が必要としているのは医学的援助ではなく、交易だと説明した。
 アメリカにもどったハマーは、米国の穀物と、ロシアの鉱石や毛皮との交換貿易を手配した。その後の九年間はソ連に滞在して、諸アメリカ企業の代理人をつとめた。」

ハマーの手紙、ゴルバチョフへ。下「」引用。

「そこで、ハマーがゴルバチョフあてに手紙を書き、医師ならびに骨髄移植登録機構の協力を申し出た--
 ゲイル博士はただちにソ連に渡ってソビエトの核科学者や血液学者たちと面会し、ともに現状を把握した上で、危険にさらされている人びとを救済するために最善の方法を決めたいと考えています。必要な経費はすべて私が負担する所存です。ゲイル博士の援助を申し出は、被曝された住民の生命を救うためにきわめて重要な役割をはすたものとなるでしょう。」

とんでもない人も、立派な文章を書くものですね。

ジキル博士のハイドを探せ

「チェルノブイリ原子力発電所原子炉の係員が犯した危険きわまりない運転規則違反」

フクシマはその後をたどるのか……。下「」引用。

「二○一一年三月十一日に発生した超巨大地震による福島第一原発のいまなお進行する事故をかかえる私たち日本人一人ひとりにとって、この本が描いた全てのことは他人事たりえません。
 この本が日本で出版されたのは一九九四年。本来なら、日本は、チェルノブイリの事故が起こった時点で学ぶべきでした。しかし、まさにこの本に書かれたことを、日本では起こりえない他人事として思考停止をしてしまったことが、今回の日本での事態を招いてしまったと言えるのです。」

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