磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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エコ・デモクラシー-フクシマ以後、民主主義の再生に向けて-

2012年05月14日 | 読書日記など
『エコ・デモクラシー-フクシマ以後、民主主義の再生に向けて-』
   ドミニク・ブール、ケリー・ホワイトサイド(著)/
     松尾日出子、中原毅志(訳)/明石書店2012年

表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「なぜ、こんなことになってしまったのか。フクシマを経てもなお、わたしたちは科学の万能性を信じ、同じ道を歩み続けるしかないのか。いちど立ち止まり、この事態を招いた社会、国の仕組みについて考えるべきではないか。本書が問いかけるものは、そこにある。」



「環境問題は国境を超える--地理的広がり」 下「」引用。

「現代の環境問題の一つ目の特徴は地理的な広がりである。これまでは環境問題といっても、その影響は地域的に限定されていた。古くは麻の精錬によって引き起こされた養殖魚の壊滅的な被害に始まり、中世の「悪臭の放つ町」で猛威をふるった悪疫、そして何度となくくり返されてきた森林伐採や農奴の荒廃など、人類の活動によってもたらされる被害は一つの政治的領土内に限定されていた。唯一の例外と見られるのは、いまだに北極の氷にその痕跡をとどめる古代ローマ帝国時代の鉛工業による汚染環境である。
 今日では事情は異なる。現在の環境問題の多くは、酸性雨や河川の汚染などのように国境を越えて広がる。その影響は地域全体あるいは大陸全体を覆い、場合によっては地球全体におよぶ。たとえば、大気中の化学構成の変化によって起きる減少は、世界的規模で地球を押し包むだろう。ある種の天然資源の枯渇、在来型石油の不足、多くの鉱物の採掘コストの高騰、漁業資源の崩壊は、あらゆる国々に影響をおよぼす。環境悪化や資源の希少化は、国境を超え国際的な波及効果をもたらす。ところが、政治家は限定された地域の代表として選出されているために、彼らの役割はそれぞれの選挙区の利益を守ることにある。オバマ政権が希望した国内排出取引制度が、石炭産業にの盛んな州から選出された上院議員らによって凍結の憂き目にあってできごとは、その意味で示唆に富んでいる。ある一定の地域の短期的できわめて経済的な利益が、地球全体の気候と声明に直結する長期的な利益に優先した例である。」

「未来にたいする無関心」別のタイプの民主主義……。下「」引用。

「-略-しかし、代表制の倫理的機能を担保するはずの仕組みこそが、国家の枠を越え時間軸の離れた問題への対応を妨げていることがわかってきた。自然をめぐる問題により適切に応えるためには、わたしたちは別のタイプの民主主義に助けを求めなければならない。-略-」

本当の民主主義でないと環境問題にも対処できないでしょうね。

「原発や公害があるところに民主主義はない」

これは事実ですね。







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