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原爆はなぜ投下されたか ●日本降伏をめぐる戦略と外交

2008年01月23日 | 読書日記など
『原爆はなぜ投下されたか
  ●日本降伏をめぐる戦略と外交』
    西島有厚・著/青木書店1968年


この本は「アカデミックな研究書」ではないと書かれてあります。
--歴史的事実を追ってゆかれた感じがします。
--イデオロギーに偏ったものではなかったとボクは思います……。

「I 原爆神話と大量殺戮兵器としての原爆」

アメリカがもし、この間違いに気づいてたら、あのむごたらしいベトナム戦もひきおこすことなかっただろうにと読みながらボクはつくづく感じました。

あの日本列島を無差別爆撃をしたルメーはベトナムでも大量殺戮を繰り返した。下「」引用。

「かつて太平洋戦争のときにアメリカの戦略爆撃隊の隊長であったカーチス・ルメー将軍も、参謀総長として、北ベトナムに原爆を投下して北ベトナムを石器時代の状態に引き戻せと主張していたことは、われわれの記憶にまだ新しいところである。」

「密集する場所」に投下せよという勧告もあったという。下「」引用。

「実際は、一九四五年六月一日に、原爆問題暫定委員会(原爆問題の最高諮問機関)で採択された勧告のなかにもはっきりと、原爆は、“二重の目標--すなわち軍事施設または軍需工場にして、しかも周囲に損害を受けやすい家屋その他の建築物の密集する場所にたいして使用すべきこと”と書かれてあり、最高責任者としてのトルーマンは、彼の個人代表としてこの会議に出席したJ・F・バーンズから正式に報告をうけている。」

オッペンハイマーの予想からしても、大量殺戮を目的としていた。下「」引用。

「原爆製造に参加したアメリカのオッペンハイマー博士が、“地上で爆発すれば、軍隊も軍事施設もあとかたもなく吹き飛ぶあろうし、防空壕があったとしても、二万人は死ぬであろう”と事前に推定していたといわれるが、二万人であろうと二○万人であろうと、民間非戦闘員の大量虐殺そのものが、はじめから意識的に目的とされていたことは、すこしの疑問の余地もない。その結果、たった二つの原爆によって、じつに数十万人という民間非戦闘員の犠牲者を出すにいたったのである。」

原爆投下が必要だったか?
これも、歴史的事実としてみていかれる……。

日本には和平派と主戦派とがあった。
そしてクーデターの心配もあった……。

ここでも日本の特異な統帥権が大きくものをいう。
--阿南が辞表を出せば、内閣は崩壊。
そして、陸軍が望む新しい内閣をつくることができた。

天皇は和平を求めていたが、絶対でなかった天皇。





『青木文庫 白9 原爆はなぜ投下されたか
  日本降伏をめぐる戦略と外交』
   西島有厚・著/青木書店1971年、
『青木文庫 白9 原爆はなぜ投下されたか
  日本降伏をめぐる戦略と外交』
   西島有厚・著/青木書店1971年、75年5刷


文庫本でもあります。






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