ラヂオアクティヴィティ[Ra.] 第一部ブロック・バスター 082一八〇パーセントの確率!? 「こんな時にも、説明してくれないの?」 ミス・ホームズは勉の顔を見た。 「残念だけど……。僕も知らされていない」 「そうなの……。夏八木さんは?」 「私も同じだわよ」 「沖縄……、狙われるのだろうか?」 「沖縄に、友達が引っ越ししたよ……。親の転勤で転校していったよ」 「まったく、日本に軍隊はないって、百パーセントの誤解ね」 「そのとおり、アメリカの核の傘の下にいるから……」 テレビ画面の男が早口で話す。 「アメリカ軍は、迎撃用ミサイル・THAADを発進させました」 「あてにはならないさ」 博士は眉根を寄せた。 「THAADとは、その実態は軍事秘密にされていた、新型ミサイルです。この新型ミサイルはミサイルを落とせる能力が現状の二倍はあるとされています」 ステルス爆撃機からミサイルが発射される。 「やったー!」 マイクはガッツ・ポーズ。 「さすが、偉大なるアメリカだ。ロシアは新兵器なんてつくる余裕はないだろう!」 安心して、マイクはバーバラの顔を見た。 「マイク!私たち、助かるのかしら……」 「そうさ。偉大なるアメリカさ!」 マイクは微笑んだ。 「でも、確率が上がっただけで、まだ危険はあるはずだよ」 と博士。 いくら二倍精度があがったといっても、半分以下の確率だろうと予想した……。 それにしても、今まで九〇パーセント近い確率だといっていたのに、その二倍とは、一八〇パーセントということかい? 「マッハで飛ぶミサイルだろう!撃ち落とすって凄いことだよ。そんなの今の科学技術でできるのかなあー」 「ペンタゴンでは、スーパーコンピューターを使って計算していることだろう」 博士も手に汗を握っている。 「何発も打たれたら、大変なことね!」 「イスラエルだけでも四百も核弾頭があるっていうじゃないの……」 「それは噂だよ。でもないとも言えないよね」 ミス・ホームズはこれからのことを推理すると生きていくのは、宝くじに当たるのより困難かもしれないと思った。
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