磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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福島原発事故-どうする日本の原発政策-

2011年08月01日 | 読書日記など
『福島原発事故-どうする日本の原発政策-』
   安斎育郎・著/かもがわ出版2011年

保安院や電力会社の“やらせ”がニュースになっていますが、このことに関することも書かれてありました……。また、アカデミックハラスメントも書かれてありました。



参考値として……。下「」引用。

「これらの推定値には異論もありますし、正確無比のデータがあるわけでもないので、参考値として心得ておいた方が良いでしょう。
 いずれにしても、「被曝は少ないに越したことない」というのが放射線防護の原則です。現実に起こっている被曝や汚染レベルは、規制基準値以下なら放射線の影響を思い煩うほどのことではないのですが、誰でも目にも見えない放射線は不気味です。-略-」

「電離作用」 下「」引用。

「放射線が原子から電子をはぎとってしまう作用のことを「電離作用」といい、この作用こそが、放射線の有害な作用の原因です。そのため、電離作用をもつ放射線は要注意ですから、とくに「電離放射線」と呼ばれ、法律でも規制しています。」

「秘密主義」……。下「」引用。

「「電力会社は事故に関する情報は逐一報告しており、決して都合の悪い情報を隠すようなことはありません」と書いてありますが、敦賀原発の事故隠しを氷山の一角とするこれまでの秘密主義的な姿勢の数々は、こうした説明のむなしさを示しています。-略-」

「外部被曝防護の三原則」 下「」引用。

「1. 放射線の線源との間に遮蔽物を置き、不必要な放射線を遮蔽してしまう。
2. 放射線源と自分の間の距離をできるだけ大きくとり、その間で放射線が減弱する効果を利用する。
3. 放射線にさらされる時間(被曝時間)をできるだけ短くする。」

「儀式化する公開ヒアリング」 下「」引用。

「日本の原発設置手続きによると、電力会社が原発立地地点を決めた時点で、まず、通産省主催の「第一次公開ヒアリング」が開かれます。これをパスすると、電源開発調整審議会の審議を経て、内閣総理大臣が決める「電源開発基本計画」に組み入れられます。やがて電力会社が設置許可申請を行うと、通産省の安全審査結果をふまえ、原子力委員会が主催する「第二次公開ヒアリング」が開かれます。それは本当に民主的に運営されてきたのでしょうか?
 少し古い話ですが、一九八八年八月二五日、宮城県女川町の東北電力女川原発二号炉の設置にかかわる第二次公開ヒアリングが開催されました。意見陳述人は、周辺市町村の住民と、住民の委託を受けた専門家に限られていますが、ここに、二号炉設置に批判的な科学者Iさんが参加しました。Iさんは、次のような感想を述べています。
「ヒアリングの運営にも種々の問題を感じた。第一は、陳述人の選定方法の非民主性である。五二名の陳述申し込みの中から一七名が選ばれたが、この選び方は、あらかじめ提出した陳述要旨によって原子力安全委員会が都合のよいように選定したものである。その結果、賛成を基調とするもの一四名、反対を基調とするもの三名というアンバランスであった。第二に、公開ヒアリングとは名ばかりで、実態は通産省の説明会に等しいというのである。賛成者一四名の質問はほとんど重複するところがな、質問に応じて通産省の係官が美しいスライドをつぎつぎと見せてPRする。陳述人の持ち時間は一人一○分間に制限され、司会の原子力委員会が厳しく注意するが、通産省の説明には制限がなく、司会ら注意も全体で二回しかなかった。-略-」

組織的動員。下「」引用。

「私も、一九七三年九月、東京電力福島第二原発一号炉の設置に関連して公聴会に参加した経験がありますが、傍聴人の申し込みハガキには宛先が活版印刷されたものが多く、明らかに電力会社側が組織的に動員した形跡が顕著でした。なかには、申し込みもしないのに傍聴券が送られてきた人もあり、町役場の職員が無断で住民台帳から住所氏名をピックアップして、勝手に申し込んでいたらしいことも判明しました。」

イスラエル。下「」引用。

「ネタニヤフ首相が初めての原発建設計画の中止を表明しました。」

インド。下「」引用。

「原発整備計画が一○年遅れる見通しが表明されました。」

フィンランド。下「」引用。

「ハロネン大統領は、現在進めている原発計画は継続するとしながらも、長期的には原子力から脱却すべきであるという考え方を表明しています。」

インドネシア。下「」引用。

「大統領が原発計画の凍結を表明しました。」

メキシコ。下「」引用。

「新たな原発建設計画を保留し、エネルギー政策を見直すことにしました。」

タイ。下「」引用。

「初めての原発設置計画の撤回が検討されています。」

ベネズエラ。下「」引用。

「チャベス大統領もまた、原発開発計画を凍結することを表明しました。」

「アカデックハラスメントを超えて」 下「」引用。

「七○年代は、日本政府が電力企業と結びついて原発建設の批判を圧殺しながら強力に推進した時期でした。こうしたなかで、地域住民・弁護士と連携して原発政策批判に取り組んだ私は、当時、反体制的イデオローグとみなされました。その結果、私は東大の医学部の助手時代に、尾行・差別・ネグレクト・威嚇・懐柔など、さまざまなアカデミックハラスメントを受けたのです。
 私の研究室では、安斎育郎とは口を利かないようになっていましたから、朝行っても誰も口を利きません。教育業務から外され、研究発表も教授の許可なくしてはいけないと申し渡されました。もっとも、それは研究者固有の研究発表の権利を侵すことになりますから、無視していました。
 私の隣には、電力会社からの派遣された人が席を占め(世にいうスパイですね)、講演に行けば「安斎番」という人が尾行していて、一部始終を録音して報告する仕組みができていました。人事問題が起これば妨害が入りましたし、私の知り合いが研究室に研究の打ち合わせに訪ねてくると、居づらい思いをされました。いま日本大学歯学部で活躍している野口邦和さんも私と同じ放射線防護学について共同研究をしていましたが、研究の打ち合わせに来ても嫌がらせを受けていました。-略-」

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高浜原発を見学しようとしたら……。下「」引用。

「直前になって「見学をお断りします」という電話がかかってきたのです。
 ツアーの幹事が「なぜですか」と聞くと、「安斎育郎先生と行く平和ツアーということになっているので、安斎育郎先生というのが何者か失礼ながらネットで検索させていただいたら、原発を激しく批判してきた人なので、そういう人に率いられる見学者には見せるわけにはかない」というのです。-略-」

住民側=許容量ゼロ。下「」引用。

「許容量は、替えがたいベネフィットがあるという大前提のもとで、放射線被曝ゼロが最も望ましい側と、低く制限されるほど社会的・経済的活動の面で不利益を蒙る側との絶えざる緊張関係で決まるものであるとわれわれは考えます。住民の要求は、したがって、「ゼロの要求」ということに尽きる訳であります。」







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