アカネさんシリーズ001 恋のタイムマシーン 153ジミ婚こそいいわね!? 「結婚式、楽しかった」 「あら、おみやげのない結婚式っていうのも、珍しいわね」 「おみやげのために結婚式があるのとはちがうわ」 「そうね、きっと、そうね」 幸代は、おばあさんの子どものような性格が好きである。 「今じゃ、派手な結婚式は流行らないのよね」 「でも、派手な結婚式って、本人たちがしたいのじゃなくって、親がしたいんでしょう」 「そうかもね……」 「ケーキも手作りで、でも楽しい結婚式でしたわ」 「あの人たち、社会福祉でしょう。レクリェーションも勉強しているから、うまいのよ。社会福祉って、ここから、ここまでという勉強じゃないのかもしれないわね」 「そうかもね。小一郎、たいへんね」 早く元にもどってやらなくっちゃと、茜は思った。 「あっ、そうだ。写真あげようか?」 「何?」 それは、茜と小一郎がタコ焼きを食べているところだった。 茜のグループの一人が、小一郎の彼女と壁にはりつけた写真だという。 茜は老体だけど、うれしそうな顔をしている。 「わたし、その茜さんのところの研究所のオカネスキーという人をさがしているのよ」 茜は思い切っていった。 茜は幸代がそんなこと知っているわけがないと思っていたが、言ってみたのだ。 「あら、おばあちゃん、オカネスキーさんのお知り合いなの?」 「ええ、そうよ」 「それなら、この下にいるわよ。おばあさんがここに来た翌日にオカネスキーさん、解雇されて、どこにも行くところがないので、ワカメくんのところにきたのよ」 「えっ!」 『灯台もと暗し』とはこのことだわ! オカネスキーのせいでこんなひどいめにあっているのだわ。 いいえ、わたしが勝手にタイム・マシンを動かしたから、いけなかった。 でも、そうだわ、タイム・マシンをつくったのは、オカネスキーなんだから、きっと、解決方法も知っているわ。 でも、もしかしたら、知らないかも……。 でも、どちらにしても、オカネスキーに会わないといけないわと、茜は思った。 でも、今は夜なので、明日にしようと考えた。
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