磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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文春新書199 百貌百言

2007年01月24日 | 読書日記など
『文春新書199 百貌百言』
    出久根達郎/文藝春秋h13年

この本は百人の方の記事を2ページにわたって紹介されています。



永井隆博士のことも2ページにわたり書かれてありました。

表紙裏にはこう書かれています。下「」引用。

「 百貌百言
 二十世紀を生きた百人の、エピソードでつづる伝記と、名言集である。人選は任意で、他意はない。強いて言うなら、筆者の好きな、卑しくない「面構え」を揃えた。エピソードは信頼できる伝記から拾い、名言は自叙伝から取った。病床の正岡子規は、何かにつけ、「嬉しくてたまらぬ」と感動した。嬉しくてたまらなくなるような話を、できる限り見つけて紹介した。筆者の思いが、そのまま読者にお伝えできると嬉しいのだが。     (「あとがき」より抜粋)」


石原祐次郎のきらいな人は、「人を見下す言い方をする人間が、一番嫌いだ」と書かれてありました。
兄の都知事のことはどうなんでしょうね……?

それにしても、たった2ページですが、古今亭志ん生は大笑いしてしまいました。下「」引用。

「「えー、酒の好きな人はってえと、何かにつけて、呑むことを考える」
 五代目、古今亭志ん生が、そうだった。
 大正十二年の関東大地震、グラグラッときたので表へ飛びだした。「どういうわけだか、あたしの頭ン中に、ツツー。とひらめいたのは、まごまごしていると、東京中の酒が、みんな地面に吸い込まれちまうんじゃアなかろうか」。それで酒屋に駈けつけた。皆が逃げ回っている中、揺れている店先に座って飲み続けた。お好きなだけお飲みなさい、と酒屋も逃げてしまったのである。」


落語に出てくる登場人物のように、愉快な方です。

越路吹雪は宝塚の舞台で、広沢虎造の浪花節、清水次郎長伝をうなったそうです。やはり、おもしろい方ですね。

芥川龍之介は妖怪好きで、あらゆる文献をあさっていたという。

一番、読みごたえがあったのが、小泉八雲です。
「日本人より日本を愛す」というタイトルに、ふさわしい人物だろうと思います。
愛情の濃い方だと再度確認しました……。

昭和天皇のことも書かれてありました。下「」引用。

「 戦後の食糧難で、デモのプラカードに「朕はタラフク食ってるぞ、ナンジ人民飢えて死ね」と記した者があり、不敬罪に問われた。陛下はタラフクどころか、少ししか召し上がらず豆カス、フスマのスイトンを食べていた。所蔵の宝物をアメリカに進呈し、見返りに食糧を放出してもらおう、と農林大臣の松村謙三にはかった。松村は幣原(しではら)総理に伝え、総理はマッカーサー元帥に話した。陛下の大事な物をいただくわけにいかぬ、と元帥は食糧を出した。かくて配給が豊富に出回るようになった。」


その他には「たいこもち」の方や、関西の喜劇王・藤山寛美が「皇軍慰問隊」に加わって満洲を巡業中、敗戦。ハルビンで日本人狩りに遭い、牡丹汪まで「死の行進」を体験したということなどが書かれてありました。








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