磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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教科書と子どもたちの未来

2008年11月26日 | 読書日記など
『教科書と子どもたちの未来』
   山住正己・編著/すずさわ書店1981年

教科書を重視するようでは、これからの大きな世界の潮流についていけないという人たちがいる。
--教科書作家と呼ばれるのはステータスでもあるようだ。
しかし、そのような文学だけが国語ではないのではないか? 国語というよりも、コミュニケーションの学科にしてもらいたいものだ。
--そこには、カリスマとか権威とかではないものを望みたい。
権威主義は平和主義の敵であるとも思う……。
民主主義の教育を願いたいものです。
--コミュニケーション能力の欠如のために犯罪をおかした人たちも多い現代ではないだろうか?



■目 次■
はじめに  1
序章 おとなたちの責任 山住正己  5
I 教科書で何がおこったか
 歴史教科書の検定状況 永原慶二  26
 「政治・経済」検定の実態 岸本重陳  38
 「チッソ」名削除の検定をはねかえす 見田宗介  51
 「原爆の図」をめぐるやりとり 石川保夫  59
 平和・核兵器・原発 小野周  69
 甦る「淳風美俗」 中島通子  77
 国定化をねらう教科書攻撃 西郷竹彦  86
 何がどう攻撃されているか 古田足日  101
 タブーの復活 鳥越信  119
II 怒れる市民は立ち上がり…
 教科書問題の「よびかけ」から「市民の会」の発足まで 山住正己  126
 教科書問題を考える市民のつどい=記録=
 -略-
III 教科書ができるまで 藤田二郎  195
 終章 教科書と子どもたちの未来 山住正己  239
   あとがき  261


「自民党の下劣な攻撃」というタイトルあり。
--しかし、公開していないことはどちらも同じではないか?
検定されたものも、全部、ネットなどで公開したらいいと思う。
そもそも、どちらの基本の思想も民主主義の理念にはあわないとボクは思う。
どちらも差別的だとも思う……。

川とノリオ』 下「」引用。

「たとえば、いぬい とみこ作「川とノリオ」を『いま、教科書は……』の執筆者は読んだことがない、ましてや、それを使ってどんな授業が行われているかということなど、知ろうともしなかったのではないか。-略-」

知らせないと知らないともいえないだろうか?

『原爆の図』 下「」引用。

「課長「これまでも残忍な殺人の現場写真など、極端に残酷なもの、悲惨なものは、発達段階の青少年の教育的効果も考えまして、載せないように指示してきました」

『国語』という課目に、『原爆の図』がそれほど重要なことなのだろうか?
社会科あるいは図工なのではないのだろうか?
作家としては、教科書作家でなくなるのは、ビジネスとしてステータスが失われることは大きなことだろうと思うけど……。

左翼児童文学と攻撃された作品。
--とても左翼児童文学とは思えない。
ユダヤの科学、ナチスの科学がないように、人道にも左翼の人道、右翼の人道などはないと思う。

むしろ、人道を失わせる人たちは確かにいる。
クラウゼヴィッツ人たちは、人道よりも、国家よりも、彼らの団体の力だろうと思う……。
それは、右にも左にも存在する人たちだろう……。

タブーがあるという。下「」引用。

「もちろん、戦争タブーもあった。これが破れたのは、私が教科書に関連するようになって三回目くらいだったと思うが、私のところでは杉みき子の「春さきのひょう」が最初だった。他社では同じ時期、土田由岐雄の「かわいそうなぞう」あたりからだったと思う。
 戦争タブーの次が原爆タブーだった。これもその後、今西祐行の「ヒロシマの歌」が通って事実上破れてしまった。
 このほか、方言タブー、俗語タブー、同和問題タブー等々、とにかく網の目のようにタブーが張りめぐらされて、三年ごとの改定作業は、少なくとも文学教材に関するかぎり、それらのタブーとの戦いだった。そして、この戦いはひとり私の関係した教科書会社だけの問題ではなく、すべての教科書会社の課題だった。」

タブーなら、何でも破ればいいものではないとも思う……。
人道や人権を大切にしてもらいたいものだ。

それは左翼思想ではなく、民主主義の思想である。








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