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講談社現代新書114 心理戦争-計画と行動のモデル-

2009年08月02日 | 読書日記など
『講談社現代新書114 心理戦争-計画と行動のモデル-』
   岩島久夫・著/講談社1968年

今もヒトラーなどを勉強して、世の中を煽動する政治家などもいることだろう……。
--心理戦争……。誠実さのない政治屋にだまされないようにしたいものだが……。
相手は、だましのプロである……。



紙の爆弾……。下「」引用。

「激しい空襲の劫火の中に、着の身着のままで、憲兵の目をかすてめB・29から落されたこの紙片を拾い、防空壕内の薄明かりの中でひそかに、人々はこれらの文字を一生懸命追っていた。軍艦マーチや鳴り物入りの勇ましい大本営発表の中で、人々はすでに「転進」の意味するものが何であるか察していたが、まだこの「聖戦」に対する疑念を挿しはさむ余地もなく、まして「戦争責任」など追及する気持ちは何等持ち合わせいなかった。これが「最後の勝利」に至る厳しい道程の一つと信じて疑わなかったのである。しかし、たまたま目にしたB・29投下の一紙片の言葉は、しのび寄る秋風のごとく、この確信の深層に滲みこんでいった。」

もくじ

核時代は心理戦ではなく「真実」を大切に……。下「」引用。

「さらに核時代が開幕し、宇宙時代に突入するとともに、「非心理的」心理戦争の様相はますます濃くなる。核の脅威が大きくなればなる程、戦争を起こさない、すなわち抑止のための「戦争ならざる戦争」が戦われ、しかも驚異的な科学技術とマス・コミの発達によって、嘘がいつかはばれ、欺瞞は容易にあばかれる。こういう時に最後に残るものは何か、それは「真実」である。真実を伝える手段の根本は「誠意」と「努力」であって、作為的な謀略でも脅迫でもない。こういう手段を「心理戦」と呼ぶのにふさわしくないことは明瞭であろう。」



宣伝がうまかったナチス……。下「」引用。

「ナチスの海外宣伝が、当初は確かに消極的・防衛的な性格で、国家社会主義に対する外国の疑念を晴らすことと、海外のドイツ市民との連絡を図ることとにあったであろうことは認める。何故なら、結局二つとも「ドイツの統一と支配」という一つの目的に奉仕する手段に過ぎなかったわけで、時期的に有利と思われる形が現われたに過ぎないからである。「威嚇」から「懐柔」まてぜ、「真実」から「虚偽」まで、「国家」機関から、「集団」「個人」まで、「マスコミ」から「口(クチ)コミ」まで、ありとあらゆる手段が、極めて巧妙にかつタイミングよく実施された。」

ナチスは宣伝で勝ち宣伝で敗けた……。下「」引用。

「これまでに述べた例でもわかるように、ヒットラがある行動をとろうとする時には、事前に盛んな予備工作が行なわれたかから、ラジオ放送や新聞に現われる内容や項目の頻度を、長期的かつ綿密に観察整理していくと、大凡の動向が察知できた。また、その内容と事実とを、照合することによって、何を隠そうとしているのか、裏の意味は何かなど察知でき、「逆宣伝」に使われることとなったのである。ヒットラーの特徴が逆宣伝にあることを前に述べたが、ヒットラーも結局はこれに敗れたといえる。他の言葉を使えば、ヒットラーは宣伝に勝って、宣伝に敗けたのである。「攻撃的」心理戦(宣伝)としては優れていたてが、「防衛的」心理戦の重要性を看過していたといえよう。」

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