スポーツの見方、味方

スポーツのあって欲しい姿・・・私見

新国立競技場問題 歴史的価値とお金

2018-09-24 17:07:34 | Weblog

 昨年、新国立競技場問題を、桐生クンの9.98を機に新国立競技場の大会後の改修に異論が出ました。私は「競技スポーツと生涯スポーツ(市民スポーツ)」「歴史的価値とお金」の視点から考えました。
 少し、長くなりますが、・・・・
 私は、基本的に、新国立競技場は、五輪の意義を後世に伝える象徴的施設として、競技スポーツと生涯スポーツのあり方のモデルとして、メインスタジアムは総合競技場のまま、サブトラックは常設として、存続させるべきと考えています。
 問題提起は、仮に、2020五輪で日本人選手が100m決勝に進出したとしても、そのトラック(走路)を撤去して良いのか、ということでした。
 それに対し、「陸上は認知されていない」「世論の後押しがなければ」「一般の人が使えるわけでない」「改修は決まっている」などの否定的なコメントが寄せられました。
 総合競技場のまま残す見通しが暗いのは、たぶん、その通りでしょう。
 しかしながら・・・マラソンで言えば、30㎞過ぎて、先頭から15分遅れみたいな状況だとして、勝算がないから途中棄権するのでしょうか?そうは思いません。
 そもそも、スポーツの素晴らしさ、相互理解・国際交流の重要性を広く伝えるのが、オリンピズム。それを後世に伝えるのには、象徴的施設があった方が良いと思います。その施設の維持に、国民1人当たり年間15~20円程度の税金が使われたっていいじゃないですか!サッカー場への改修は、「スポーツの素晴らしさ、相互理解・国際交流などと言った青臭い話より、金儲けが大事」というメッセージを次代の若者たちに残すことになるのです。歴史的建造物も観光収入が得られないなら潰せ!と言っているのに近いです。
 「トラックを残す」ことは、「陸上競技場として存続させる」ということでなく、「サッカー、ラグビー、アメリカン・フットボールも出来る総合競技場として残す」ということです。サッカーには、見易いとは言えませんが、トラックのある日産スタジアムで、マリノスのホームゲームやクラブW杯の決勝をやっているのです。トラックを残したままでも、十分にサッカー場として使えるのです。欲を言えば、専用スタジアムの方が・・・という程度でしょう。それなら、「さいたま2002」があります。
 新国立競技場を、そのままの形で遺すことは、陸上競技偏重ではなく、オリンピックの理念を後世に伝えることです。世界中からアスリートが集まった2020五輪の感動を伝え、サブトラックを残して、広く開放すれば一般の方々のスポーツ活動の場になります。この時、五輪のメインスタジアムがすぐそばにあったら楽しいじゃないですか! さらに、頻繁に講習会を開催して、健康的な自分に合ったスポーツへの取り組みを伝える場に出来たら素晴らしいと思います。
 メインスタジアムの真下、超一流アスリートがウォーミングアップに使ったサブトラックで、五輪に感動したオジサン、オバサンがジョギングをしたり、フィールドで、子供たちが走り回ることができたら素晴らしいじゃないですか!!!
 そこで、講習会ができれば、もっといいです。その時は、ランニング学会が協力します!講習を受けた方が東京マラソンに挑戦・・・という話にもなります。
 ところで、私は、9秒台を出したから、あるいは金メダルを獲ったから、トラックを残して欲しいという考え方には賛同しません。「強ければモノが言える」というのは、あまり好きではありません。
 立派な国立競技場が無い方が地方の競技場が活性化するのでは? その方が陸上競技の普及につながるかも知れない、との声もありますが、私は、新国立競技場を、「日本を代表する陸上競技場」とはとらえていません。五輪レガシーとして「競技スポーツと生涯スポーツのあり方」のモデルとして存続させるべきだと考えています。競技スポーツの象徴的施設であるメインスタジアムのすぐ近くに、一般の方が日常的なランニング、ジョギング、ウォーキング、あるいは子供の駆けっこ遊びに使えるサブトラックがあったら素晴らしいと思います。すぐ近くに、絵画館周回コースがあり、多くのジョガーが集まる皇居周回コースもさほど遠くありません。
 私は「競技スポーツと生涯スポーツ」は、別物ではないと思っています。メディカルチェック、体力チェックを元に、自分に合った形でスポーツに取り組み、生活を充実させるという点で、両者は同じです。長い競技生活を考えれば、「健康リスクを冒してでも競技力向上を目指す」考え方よりは、「健康に十分留意してブランクのない競技生活を送る」方が高い競技能力の獲得に有効だと思います。生涯スポーツにしても、長期に亘って充実したスポーツライフを楽しむには、健康状態、体力特性に配慮しつつ取り組むことが望まれます。



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