『92歳のパリジェンヌ』

2015年 仏
監督：パスカル・プザドゥー
出演：サンドリーヌ・ボネール、マルト・ビラロンガ、アントワーヌ・デュレリ、グレゴール・モンタナ、ジル・コーエン、サビーネ・パコラ


助産婦として働き、社会活動にも熱心、また夫と子どもがいながらも恋多き女性だったマドレーヌだか、90歳を越えて、少しずつ一人で出来ないことが増えてきた。自分が自分らしくいられる間に人生を終えたいと考えたマドレーヌは、92歳の誕生日に、子どもたちや孫たちの前で「2カ月後の10月17日に自ら命を絶つ」と宣言する。驚き戸惑う子どもたち。冗談なのか、認知症なのか、老人性鬱なのか、とにかく本気とは思えないと軽く考えようとする子どもたちだが、マドレーヌは着々と死にゆく準備をする。そんな母に、娘は少しずつ理解を示すようになるが、息子は感情的に身勝手を罵る・・・

老いてなお誇り高いマドレーヌの気持ちも、母を自殺させたくない娘の気持ちも理解できるけど、感情的な息子は子どもっぽくて共感できないなって思っていたら、母が何度も浮気を繰り返し、その度にシレッと戻ってきた話が出てきて、息子の気持ちもよく理解できました。自立した女性が生き方だけじゃなく死に方も自分で決めたいと考えているというような立派な話ではなく、ドロドロした身勝手な部分も入れ込んで、リアルな物語になっているように思います。