『I am Sam アイ・アム・サム』

2001年　米
監督：ジェシー・ネルソン
出捐：ショーン・ペン、ミシェル・ファイファー、ダイアン・ウィースト、ダコタ・ファニング、ローラ・ダーン

7歳程度の知能だと診断されてる知的障害者の父と娘が、児童福祉の観点から引き離されそうになるのを、ひょんなことから弁護を引き受けることになった非情で剛腕の女弁護士や、障がい者仲間たちが、一生懸命支援しようとするのだが・・・

事前に少しでも内容説明きけば、たいていの人が想像できる筋書きで、予想通りの心温まるお話になってますが・・・ショーン・ペンやミシェル・ファイファーはもちろん、娘役のダコタ・ファニングも含め、役者さんたちが凄いよねぇ～・・・それで特別な映画になっている気がします。
気持ちがいいのは、悪い人がいないことですよね。観客としても、どうしても「こんな素敵な父と娘、ステキな仲間たちだっているのだから、引き離さないでよ!!」って見方をしてしまいますし、裁判となれば証言者を故意に貶めるようなことを検事がいうので「ひどいっ!!」って腹がたったりもするんですが、冷静に子どものことを考えてみれば、児童福祉局の判断だって、あながち間違いとはいえないわけど・・・そういうことを感じる余地も、ちゃんと残した描き方をしているのもフェアだって思いました。
それにしても・・・わたし、これ、見てなかった？自分でも驚きです(^^;。

『尚衣院 サンイウォン』

2014年 韓国
監督：イ・ウォンソク
出演：ハン・ソッキュ、コ・ス、パク・シネ、ユ・ヨンソク

韓国王室の衣装担当する尚衣院を取り仕切るドルソクは、低い身分から、己の努力と技術だけを頼りに生き残り、半年後には長年の憧れである両班の地位を授けられることになっていた。そんな彼の前に、処世術などまったく意に介さず、斬新な発想で衣装を縫い上げる天才ゴンジンが現れる。ゴンジンを忌み嫌い否定しながら、彼の才能に惹かれていくドルソク。心を通わす瞬間もあった二人だが、王宮の権力闘争に巻き込まれ、二人の道はどんどんと離れていった・・・

わたしが分かる数少ない韓国の俳優さんの中でも、韓国映画に興味を持たせてくれたハン・ソッキュさんは特別な俳優さんの一人です。なので、出演者にお名前を見つけて、迷うことなく拝見しました。おお、こういう卑怯で情けない役も、やっぱり巧いですよね・・・さすがだ!! 不遇の王妃様と天才デザイナーの物語にだけだと、ビジュアルは美しく纏まるけど、奥行きがでないですよね。それをハン・ソッキュさん演じる努力でのし上がった人の迷いと苦悩みたいのを真ん中に据えてもらって、ものすごく気持ちが入りました。『アマデウス』の、モーツアルトに嫉妬するサリエリの苦悩に共感したのを思い出しました。

『ファイヤー・ストーム』

2013年　香港&中国
監督：袁錦麟（アラン・ユエン）
出演：劉徳華（アンディ・ラウ）、姚晨（ヤオ・チェン）、林家棟（ラム・カートン）、胡軍（フー・ジュン）、姜皓文（フィリップキョン）、呂良偉（レイ・ロイ）

香港警察特捜班のロイ刑事は、情報屋のトンの服役中、障害のある彼の娘の世話をし、我が娘のように可愛がっていた。それに恩義を感じているトンは、出所後、ロイが逮捕に執念を燃やす凶悪犯グループに潜入すると申し出る。反対するトンだったが、ロイは潜入を実行し、娘共々命を落としてしまう。なんとしても犯人たちを逮捕したいロイは、犯人グループの一人である幼馴染のトーを説得するのだが・・・

もはや、馴染みの俳優さんがでる香港映画は、わたしにとって娯楽というよりセラピーです(^^;。
で・・・香港映画お得意の、犯罪者と刑事の間の微妙な友情・・・この映画でも健在ですな。もう、ノウハウ出来上がり過ぎて、安定してるったらないです。プラス、刑事ものの国を越えた定番のテーマ・・・法を守って操作する側と、何の制約ももたずに好き勝手する犯罪者、どう考えて犯罪者が有利で・・・そのジレンマの中で、正義の士の刑事が何を決断するのかってのが、きっちり描かれていて・・・けっして目新しいものはないけど、良かったんじゃないかと思います。もはやひいき目でしか見られないから、客観的な評価はだせませんけどね(^^;。