映画鑑賞感想文

濫観っていうか、乱観っていうか・・・ポリシーないですけど(^^;

『秘密のかけら』 '05 カナダ&英&米

2006-06-04 12:18:32 | Weblog
【スタッフ】
監督、脚本:アトム・エゴヤン
製作:ロバート・ラントス
原作:ルパート・ホルムズ
撮影:ポール・サロッシー
編集:スーザン・シプトン
美術:フィリプ・バーカー
衣装デザイン:ベス・バスターナク
音楽:マイケル・ダナ
【キャスト】
ケヴィン・ベーコン、コリン・ファース、アリソン・ローマン、ソーニャ・ベネット、レイチェル・ブランチャード、デヴィッド・ヘイマン、モーリー・チェイキン、キルスティン・アダムス、ソニヤ・ベネット、デボラ・グローヴァー、ボー・スター
【ストーリー】
若手女性ジャーナリストのカレン・オコナー(アリソン・ローマン)は、子どもの頃に憧れていたボードヴィリアンコンビ、ラニー・モリス&ヴィンス・コリンズの伝記記事をものしたいと思っていた。出版社と話を通したカレンは、さっそく二人に接触しようとするが、今もショービス界で活躍しているラリーは自分で自伝を書いているからとマネージメント会社を通じて断わってきた。一方、隠遁生活送っていたヴィンスの方は、100万ドルを支払うならという条件を突きつけたが、カレンと出版社はそれを了解した。
この交渉を終え、とりあえず帰途についた飛行機の中で、カレンは偶然にラリーと遭遇する。カレンは、自らの身分を隠し、女友達の名を騙ってラリーに近づく。
彼女が手に入れたいのは、通り一遍の彼らの伝記ではなかった。1950年代に一世を風靡するほど活躍していた彼らが、1957年に起こったある事件を切っ掛けにコンビを解消した・・・その事件の真相を突き止めたかったのだ。それは、カレン自身も出演していた、ラニーたちが司会を勤めるポリオ病患者救済のためのテレソン(テレビ+マラソン)の前後に起こった若い女性の事故死。彼女の遺体は、なんと彼らのホテルの部屋で発見されたのだ。警察は、薬物摂取によるバスタブでの溺死と発表したが、実は彼らが彼女を殺したのではないかという噂が流れた。彼女は、自分自身の野心と、憧れのラニーの為にも、それを打ち消す真実を見つけたかったのだ。
公式ホームページ  http://www.himitsu-kakera.jp/

【個人的感想】
ケヴィン・ベーコンとコリン・ファースという、達者な役者さんコンビだから、もっと重厚な画面を想像していたのだけど、意外にメルヘンだった。カナダだったか、アメリカだったかの公開では、R指定が付いたというから、かなりエッチなシーンか、相当に残酷なシーンがあるのかと思ったんだけど・・・う~ん、微妙(^^;。ケヴィン・ベーコンの開けっぴろげなセックスシーンや、アリソン・ローマンのレズビアンシーンはあるんだけど・・・それも、なんだか現実味がなくて、ほとんどイヤラシサはなかったもの。
監督は、きっとアリソン・ローマンのことが、かなりお気に入りだったんじゃないかと思う。だって、彼女が映っている映像には気合が入っているように思えるだもん。カレンとラニーが惹かれあうシーンとか、ヴィンスに対して攻撃的になるシーンとか、もちろんレズビアンのシーンも、かなり気持ちの入った映像になっていた気がする。
それに対してケヴィン&コリンには、よく言えば絶大なる信頼、悪く言えば「おまかせ」的な部分が多かったんじゃないかな・・・なんて、邪推してしまった。もっと、二人の間の情の部分を掘りさげて欲しかったなあ。二人のすれ違いや誤解の部分も。殺人の真相より、よっぽど面白いドラマがあるのに。そして、個人的には、特にヴィンスの苦悩を、もっともっと掘り下げて欲しかったなぁ。本当は、彼こそがキーマンなのに、そのあたりはオザナリなんだもん。
沢山、見所というか、面白いテーマが含みこまれている映画なんだけど、その中で、監督がどれをチョイスし特に力を入れたかというところで、わたしの好みからは少し外れてしまいました。とはいっても、十分に楽しみはしましたよ。あくまでも、欲を言えば・・・ということです(^^)。