映画鑑賞感想文

濫観っていうか、乱観っていうか・・・ポリシーないですけど(^^;

『妻への家路』

2016-08-22 13:13:26 | Weblog
2014年 中国
監督:張芸謀(チャン・イーモウ )
出演:鞏俐(コン・リー)、陳道明(チェン・ダオミン)、チャン・ホエウェン、陳小芸(チェン・シャオイー)、イエン・ニー、劉佩奇(リウ・ペイチー)、祖鋒(ズー・フォン)

文化大革命で引き裂かれた家族の物語。収容所から脱走し、妻に逢いに戻ってきたルー・イエンチーだったが、父のせいで舞台の主演を下された娘は父を密告してしまう。そんな娘を許さない母は、心労から記憶障害を煩う。文革が終わり、ルー・イエンチーが妻のもとに戻ってきたときには、彼のことを夫と認識できなくなっていた。写真を見せたり、ピアノを弾いたり、妻の記憶を回復させようと努力するのだが、いっこうに回復の兆しが見えない。ただ、自分からの手紙を、近所の親切な手紙を読む人として妻に読み聞かせてやることで、妻と娘との関係を修復させることはできた。そして、いつか記憶が戻ることを願い、ルー・イエンチーは妻の近くで、他人として暮らしながら、じっと彼女を見守るのだった・・・

張芸謀&鞏俐となると、なんだか勝手に感慨深いですね。それにしても、鞏俐って変わらないなぁ。若い頃から貫禄があったけど、そのままだから今はむしろ若々しい。そして、頑なな役の芝居が巧いっ!!娘役のチャン・ホエウェンも可愛いね。張芸謀作品に似合っているし。ただただ文革ヒドイ!!ってことでもないところが、大人だなぁ~って思うし、安易にハッピーエンドにしないのも、大人たなぁ~って思いました。味わいのある映画だと思います。

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『天使が消えた街』

2016-08-22 12:56:50 | Weblog
2014年 イギリス&イタリア&スペイン
監督:マイケル・ウィンターボトム
出演:ダニエル・ブリュール、ケイト・ベッキンセール、カーラ・デルビーニュ、バレリオ・マスタンドレア

イタリアの観光都市シエナで、英国人留学生が殺され、ルームメイトとボーイフレンドが容疑者として逮捕される。被害者も容疑者も、若くて美しい女性だったため、マスコミはこの事件に飛びつき、裁判は国際的に注目されることになる。この事件を、独自の視点で映画化したいと考えた若手のドキュメンタリー映画監督は、シエナを訪れたのだが・・・

実際にイタリアで起きた殺人事件を題材にしてるんですね。映画の雰囲気もドキュメンタリータッチです。でも・・・映画の中で、監督がプロデューサーなのか出資者なのかから言われることが、そのまま私の感想ですね。主人公の監督は、ゴシップ的な視点ではなく本質を描きたい的な言動をするのに対して、「観客は答えが知りたい」って言われるんですけど、その通りだって思いました。
この映画は、監督の心の描写がメインで、殺人事件はどうでもいいわけですが・・・殺人事件の方が、観客よりはるかに魅力的(語弊がありますが)なので、そっちのこと、ちゃんと描けよって思ってしまうのです。監督の方は、ただただ「めんどくせぇ~奴だな」って思うだけです。まあ、そう思わせることが目的だったなら、成功だといえるでしょうが・・・観客としては、ぜんぜん楽しくなかったです。
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『私の男』

2016-08-22 12:43:02 | Weblog
2013年 日本
監督:熊切和嘉
出演:浅野忠信、二階堂ふみ、高良健吾、藤竜也、モロ師岡、河井青葉、太賀 、相楽樹、三浦誠己、安藤玉恵、三浦貴大、山田望叶

孤児の花は、遠縁の淳悟に引き取られ、親戚の多い北海道の町で親子としてくらしながら、他人には踏み込めない濃密な関係を築いていく。ある日、一線を越えてしまった二人を、大塩に見られてしまう。花を心配し、淳悟から遠ざけようとする大塩を、花は流氷に置き去りにし沖に流してしまう。凍死した大塩が発見され、二人は北海道から姿を消す・・・

原作は直木賞をとっていて、映画も海外の映画祭で評価されたってことなので、それなりの期待はしましたが・・・ああ~、めんどくさいっ!! やっぱり、わたしは直木賞を取るようなお話とは相性が悪いです。こういう話、ほんと、めんどくさいです。好きな人は、すごく好きだと思うのですが、わたしは遠慮します。二階堂ふみちゃんの熱演とか、もちろん評価すべきところは多々ある映画だとは思うんですが、結局は嗜好の問題ですからね。わたしは好きではない・・・というか、めんどくさくて嫌なのです、こういうお話は。

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『ぼくたちの家族』

2016-08-22 12:25:39 | Weblog
2014年 日本
監督:石井裕也
出演:妻夫木聡、原田美枝子、池松壮亮、長塚京三、黒川芽以、ユースケ・サンタマリア、鶴見辰吾、板谷由夏、市川実日子

母が末期の脳腫瘍で余命1週間、治療のしようもないと宣告され、混乱する家族。なにもかも長男に頼りきりの父親。この期に及んで緊張感のない次男。必死に家族を支えようとする長男は、気が弱く、身重の妻に母の治療費を負担したいと言い出せない。けれど、このままではいけないと、息子たちが行動を起こす。まずは、母の治療をしてくれる病院をさがすことから始める・・・

長男の奥さんも含め、最初は、どいつもこいつもっ!!って、イラッとさせられっぱなしです。で、頭の隅で、「でもこれがキッカケで、みんなの心が一つになって」とかなるんじゃないでしょうねって思っていたら、その通りになっていって、ちょっとオイオイって思います。でも、それでも、その方がいいです。ダメな人ばっかりがでてきて、物事が悪い方にばっかりころがっていくお話は嫌ですもん。
ただ・・・それでも、ちょっと思っていました。現実には、これからが大変なんだろうなって。家族の誰かの病気とか、最初は家族を一つにするんですよね。けど、時間がたつと、みんなそれぞれに疲れが出てくる。それそれの負担もジワジワと圧し掛かってくる。それで心がバラバラになっていく・・・みたいなことが、おこりがちなんですよね。
出番は少なかったですが、良いお医者さん役の鶴見辰吾さんと板谷由夏さんが、さらっとした演技でカッコ良かったです。わたし的には、お二人のシーンが、一番の見どころでした(^^)。
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『天空の蜂』

2016-08-22 12:04:24 | Weblog
2015年 日本
監督:堤幸彦
出演:江口洋介、本木雅弘、仲間由紀恵、綾野剛、柄本明、國村隼、石橋蓮司、竹中直人、向井理、佐藤二朗、
光石研、落合モトキ、やべきょうすけ、手塚とおる、永瀬匡、石橋けい、松島花、カゴシマジロー、前川泰之、
松田悟志、森岡豊、田口翔大

湯原が開発した新型のヘリコプター「ビックB」が自衛隊に納入される日、そのビックBが遠隔操作で乗っ取られた。ビックBは、福井県にある原子力発電所「新陽」の真上でホバーリング。犯人からは、日本国内の原発を全て廃棄しなければ、「新陽」に落下させるとの要求が届く。タイムリミットは、ビックBの燃料が切れる時まで。湯原たちビックBの設計チームと、原発の設計士の三島たちは、なんとか惨事を回避しようと苦闘するのだが・・・

見なくても予想がつくタイプの映画だろうって思ってたんですが・・・ドキドキハラハラしながら最後まで見ましたよ。やっぱり意外なことはとくにないんですけど、ちゃんと作ってあるってことなのかな、よく分からないけど、ぐっと引きつけられて、ちゃんと主人公サイドの視線から、がんばれって思いながら見ることができました。原発サイドの人たちも、反原発サイドの人たちも、一方的に悪者にしていない設定だったからかもしれません。視線が偏っていると、居心地悪くって楽しめないこと、ありますものね。
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『アクトレス 女たちの舞台』

2016-08-22 11:22:39 | Weblog
2014年 フランス&スイス&ドイツ
監督:オリビエ・アサイヤス
出演:ジュリエット・ビノシュ、クリステン・スチュワート、クロエ・グレース・モレッツ、ラース・アイディンガー、ジョニー・フリン、ブラディ・コーベット、ハンス・ジシュラー、アンゲラ・ビンクラー、ノラ・フォン・バルトシュテッテン

今や押しも押されもせぬ大女優となったマリアに、彼女が女優として成功するきっかけとなった作品のリメイクへ作品への依頼が来る。ただし、役柄はかつて彼女が演じたヒロインではなく、そのヒロインに振り回され自殺する中年女性の役。若いけれど有能なマネージャーのバレンティーヌに、新進気鋭の演出家が手掛けること、これから伸びていく若手女優が相手役であることから、受けるべきだと強く勧められ、しぶしぶ引き受けたはものの、バレンティーヌ相手に台詞の練習をすればするほど、気がのらないマリア・・・

ん~、キャスティングミスじゃないかな。ビノシュの存在感がありすぎ、現役の輝きがありすぎで、マリアの気持ちが伝わってこないんですよね。地位は確立しているけれど、当然のことながら年齢と共に若さや勢いは失い、主演からは外れていく女優さんの心の揺れみたいなものを描いているのだと思うけれど・・・そんな心配、まったくないとしか思えないビノシュでありました。マリアを脅かす若手女優役のクロエ・グレース・モレッツは、若さの持つキラキラ感もあるし、良くも悪くも若さの傍若無人さみたいなものをちゃんと表現していたけど、そんなものものともしない存在感でしたよね、ビノシュ。それが、この映画的にはどうなのって思いました。
ただ、いろいろ想像させるところは好かったです。マリアが若い頃のことを話したり思ったりしていると、『ポン・ヌフの恋人』のころのビノシュのことを考えたり、マリアとマネージャーのバレンティーヌの関係が舞台劇の物語に重なっていくのかなって予測してみたり、描かれている以上のことを、いろいろと想像できる映画ではありました。もちろん風景もとても素敵でした。
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『白いカラス』

2016-08-22 10:50:34 | Weblog
2003年 米
監督: ロバート・ベントン
出演:ニコール・キッドマン、アンソニー・ホプキンス、エド・ハリス、ゲイリー・シニーズ、ウェントワース・ミラー、ジャシンダ・バレット

名門アテナ大学で、ユダヤ人として初めて古典教授となったコールマン・シルクンスは、学部長も務め、勇退が目の前となった時に、何気なく発した言葉が黒人差別であると告発され、辞職に追い込まれる。それに憤慨した妻は、その日の夜に倒れ亡くなってしまう。納得できないまま、一人怒りの中で暮らしていたコールマンは、孤独の影を纏った若い女性フォーニア・ファーリーと出会い、彼女に強く惹かれていく。

盛り沢山過ぎて大変です。役者さんは、ニコール・キッドマン、アンソニー・ホプキンス、エド・ハリス、ゲイリー・シニーズ・・・凄すぎる。その上、コールマンが背負っているものが重いし、フォーニアの人生が壮絶すぎるし、フォーニアの元夫の抱えているものもアメリカの抱える大きな課題だし・・・だから、ゲイリー・シニーズ演じる第三者である寡黙な作家の存在が必要だったのかな。映像で振り返るのはコールマンの過去だけで、フォーニアの過去は語りだけにしているのも、ごちゃごちゃするのを回避する為かな。まあ、これだけ盛りだくさんの課題を、よくぞここまで整理したと関心はしますが・・・それでもやっぱり、ちょっと良く張り過ぎなんじゃないかという思いは拭えませんね。
それから、ニコール・キッドマンが超美しいんだけど・・・わたしは、個人的に、こういう演じ方は好きじゃありません。男性の観客には愛おしくてたまらないかもしれないけど、女性はわたしと同じ感想をもつ人も少なくないんじゃないかな。なんていうか、不幸に酔うなよって思ってしまう。いや、どうなっちやっても仕方ないよねっていう経験をした女性なわけですから、不幸に酔おうが、世の中を呪おうが、なんでも納得できるはずなんですが・・・なんか、共感を拒否したくなる何かがあったんですよね。やっぱり、ニコール・キッドマンが美し過ぎるからかな(爆)。
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『あるメイドの密かな欲望(小間使いの日記)』

2016-08-22 10:35:45 | Weblog
2015年 フランス&ベルギー
監督: ブノワ・ジャコー
出演:レア・セドゥ、ヴァンサン・ランドン、クロティルド・モレ、エルヴェ・ピエール、メロディ・バランベルグ、パトリック・ダスンサオ、ヴァンサン・ラコスト、ジョゼフィーヌ・デレンヌ、ドミニク・レイモン、ロセット、アドリアーナ・アスティ

セレスティーヌは、メイドとしていくつかの家庭で働いてきた。ランレール家では、気位の高い妻にこき使われるのもウザいけれど、女とみれば手を出す好色な旦那をあしらうのも面倒くさい。望まれて病弱な孫の面倒を見てほしいと老婦人のところで働いた時には、献身的に尽くしたものすぐに彼が病死してしまう。ランレール家に戻って、今まではほとんど関わっていなかった使用人仲間のジョゼフと急接近したセレスティーヌは、ジョセフの意外な顔を知って・・・

 原作のオクターブ・ミルボーの小説『小間使の日記』は、何度も映画化されてるみたいですが、どこが魅力で映画化されているんでしょう。いったい何が描きたいんだか、ちっとも分からなかったです。メイドの視線から、メイドを雇っている階級の姿を告発しているのか・・・メイドという仕事の悲哀と、だからこそ培われた強かさみたいなものが描きたいのか、これらの身分制度の崩壊の予兆みたいなのを描きたかったのか、単にエロスの部分を描きたかったのか・・・ほんと、よく分からなかったです。最後まで見ることができたのは、主人公を演じたレア・セドゥのぶっちょう面が、意外に可愛かったからかな。
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『チャイルド44 森に消えた子供たち』

2016-08-22 10:24:34 | Weblog
2015年 米
監督:ダニエル・エスピノーサ
出演:トム・ハーディ、ゲイリー・オールドマン、ノオミ・ラパス、ジョエル・キナマン、パディ・コンシダイン 、ジェイソン・クラーク、バンサン・カッセル

 スターリン体制下のソ連。偶然に戦争の英雄となったレオは、戦後、秘密警察の捜査官に出世する。けれど、もともと出世欲や処世術が希薄なレオは、組織内で巧く立ち直れず、職を追われ、地方に飛ばされてしまう。そこで遭遇した子どもばかりが犠牲になっている連続猟奇殺人事件。犯罪なき理想国家を掲げるスターリン政権下で、たいした捜査もされず事故として処理されていたこの連続殺人事件を、レオは解決しようと奔走する。

 暗い。重い。きっと、伝えたい主題は、この映画のもつ雰囲気で、十分に伝わっているのではないかと思います・・・わたしは言葉に出来ないけど(爆)。ただ、殺人事件自体のことは、焦点がぼやけていて、あまり入ってこないというか・・・なんなのかなぁ~って思いました。夫婦の関係とか、面白い設定だなって思うし、引きつけられるんですけど・・・ゲイリー・オールドマンの役割とか、事件そのもののこととかは、作り手が興味をもっていないんじゃないかと思うくらい、ぼや~っとしていました。
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『愛を積むひと』

2016-08-20 16:43:29 | Weblog
2015年 日本
監督:朝原雄三
出演:佐藤浩市、樋口可南子、北川景子、野村周平、杉咲花、吉田羊、柄本明

東京の下町で工場を経営していた篤史は、仕事一辺倒で、家族を顧みることのない生活を送っていた。けれど、苦労を掛けつづけてきた妻の良子が心臓病を患い、工場をたたんで、二人で北海道でのんびり暮らすことを決心する。いざ北海道に来ると、何もすることがなく、時間をもてあます篤史。そんな彼に良子が、家の周りに石を積んで、塀を作ってほしいと言い出す・・・

ん~、悪くはない・・・悪くはない・・・ぜんぜん悪くない。でもなぁ~・・・なんだろうなぁ~・・・この、若干の物足りなさ。北川景子さん演じる娘との関係は悪くなかった気がします。こういうお話の場合、「お父さんが仕事ばっかりしていて、お母さんに苦労をかけたからお母さんが病気になったんでしょ」的な父娘の断絶になることが多いのを、意外な設定にしてあって面白かったです。でも、野村周平さん演じる無口な青年の方の設定が、びっくりするほどアリキタリで、そこがガッカリだったかな。役者さん揃えてあるし、景色も好いし、ほんと悪くはないんですけど、なにかも一つ引きつけられない残念さがありました。
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