映画鑑賞感想文

濫観っていうか、乱観っていうか・・・ポリシーないですけど(^^;

『明日への遺言』

2012-10-23 18:51:43 | Weblog
2007年 日本
監督:小泉堯史
出演:藤田まこと、ロバート・レッサー、フレッド・マックィーン、リチャード・ニール、西村雅彦、蒼井優、近衛はな、田中好子、富司純子、中山佳織、加藤隆之、俊藤光利、児玉謙次、松井範雄、頭師佳孝、金内喜久夫、牧村泉三郎、喜安浩平、関貴昭、原田琢磨、井上浩、竹野内豊

名古屋を空爆するために飛来して撃墜されたB29の搭乗員が、収監されていた収容所からの脱走に失敗し斬首処刑された。戦後、この行為が捕虜虐待だとされ、陸軍中将岡田資を始めとする収容所幹部がB級戦犯として軍事裁判にかけられた。岡田は、一切の責任は自分にあると部下を庇う一方で、この裁判が戦勝国の一方的な論理によって行われる不当なものであると主張、当夜行われた米軍の名古屋への大規模無差別爆撃は非人道的な違法行為ではなかったかと訴えた。

これが藤田さんの遺作なんだと想うと、なんだか感慨深いですね。藤田さんは、年をとるほどに魅力が増す役者さんだったけれど、つまりはこの作品の藤田さんが最高に魅力的だったってことだなぁ~と思います。けど、特別に思い入れをもって演じられたという感じより、逆に演じておられない部分に何か感じるものが秘められていたようなお芝居でした。

よく言われる、戦後押し付けられた自虐史観というのは、たしかに悲しく情けないものだけど・・・反自虐史観を声高に訴える人に、あまり美しさが感じられないのは、もっと悲しく情けないです。どっちにしろ、戦勝国も戦敗国も褒められたことはしていないんですから、当然ですよね。

でも、自虐史観を払拭しようしつつも、できるだけ客観的であろう、冷静に描こうと努めておられるのは感じられたので、素直に正面から映画を見ることができました。一番卑怯なのは、偏見に満ち満ちた描き方をする人たちより、客観のふりをして人に主観を押し付けてくる作品を造る人たちだと想うんですが、この映画はそうではないと思えました。何かを描きたいと想ったとき、そこには必ず描く人の想いがあるわけで・・・本来、客観的になんか無理なんですが、それでも本気で努力しようと思う気持ちは大切だと思います。


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