杵屋六郎ブログ

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プロと素人の違い

2016-07-25 21:57:03 | 日記
一曲に集中してそれを極めればプロと差は縮まるのですが、決定的な違いは商品価値があるかどうかです。素人は自分の演奏に酔い易く、自画自賛して喜びます。プロはどんなに素晴らしい演奏ができたとしても自分に溺れることはありません。常に冷静に自分の音を観察、コントロールしながら演奏を進めることができます。
ある特定の部分が優れていても演奏全体の運びが上手く構成できなければプロと言えません。要するに曲のノリを弾くことは簡単な修行ではできません。曲を知り尽くし、唄を知り、囃子を心得て指揮者として全体を統括する能力が必要です。
指揮者は一歩先に音を考えながら指揮をしますが、三味線の場合でも同じです。出たとこ勝負で音を出すのが素人、音を出す前に予見して、修正しながら演奏することができます。そのような厳しい修行が演奏に商品価値を生み出すのです。

三味線上達の第一歩は?

2016-07-25 21:15:01 | 日記
楽譜を上手に読むことが上達の第一歩です。読むと言ってもたどたどしく読むのではなく、読むことが素晴らしい音楽になっているように練習することです。楽器を使う前に実際に声にして読むことが良い演奏の基本になります。出来るだけ大きな声で感情をこめて口三味線を練習することが一番です。文字も大きく書くと破綻する部分が自然にわかります。
単音でしか読めない人は2個以上の音を繋げて行きましょう。なるべく視野を広く取って、2小節~3小節を一度に見渡せるように。楽譜を読むのは文字を読むのと同じです。コンピューターが読んでいるようにたどたどしいのでは上達が止まってしまいます。演奏しようとする音楽を自分のものとして反芻して美しい音楽を心がけましょう。大切なことは何回でも自分に言い聞かせ、体が覚えるまで繰り返しましょう。体が理解するまで頑張れた人が真の上達に近づけるのです。ここで大切なのは再度言いますが、大きな声で言う練習です。強弱をつけたり、感情表現も声で出来るように訓練を積みましょう。

コカシバチ

2016-07-23 21:56:54 | 日記

早間の合方を弾きこなすには是非とも必要な技術です。トチ・トチ・トチ・トチと4回以上連続したコカシを上手く弾くコツは最初のコカシ(トチ)に続くバチをバチ皮につかないうちに2回目のコカシに備えてバチを移動させることです。すなわち、チを弾いた後のバチの動きをトを弾けるように戻すことです。別の言い方をすればトチンとならないように心がけましょう。コカシバチの動きはいちいちバチを上げずに連続して次の糸に滑らせる技術ですが、技が連続するとこれが難しくなります。手首を柔らかくしてこの技術をマスターしましょう。供奴の最初の弾き出しが上手く弾けるようなら大丈夫です。他の曲にも色々と応用の効く技術です。例えば、早スクイの連続もこの技術を応用することができます。バチの動く範囲を最小限にコンパクトな動きにして無駄のない動きを心がけるようにしましょう。

コカシバチhttps://youtu.be/ukxxoJswiYI

供奴https://youtu.be/ylIdoEsCkbs

 

 


スクイ、早スクイの続き(50歳以上の)

2016-07-15 03:07:44 | 日記
年齢が若いときはそれなりの体力があり、身体も柔らかいので、手首の動きももスムーズなので手がまわる。しかし、50歳以上になってくると自然に体力が衰える。そうなった時は力で弾こうとせずに技術で弾けるように頭を切り替えましょう。
気合を入れて力を抜くことは以前に書きました。それを実践するにはバチ厚みが重要なのです。勿論、象牙のバチの話です。厚いバチを使いこなすことは簡単ではありません。それはスクイが難しくなるからです。
ここ対処方法は3つです。

①バチの角度を変える
②バチの先端をスクイの適した角度に変える
③安定して弾けるようになるまでビデオでチェックする

練習はゆっくりから初めて徐々にスピードを上げる方が良い。
バチの重さの利点を活かしてバチノ重みを利用すると良い音が出ます。
バチ先はギターのピックを参考にすると厚いバチでも弾きやすくなる。
バチ先の磨きは金磨き、#1000の紙やすりや爪磨きを利用しましょう。
厚いバチで全ての曲をこなせれば芸の人生が大きく変わります。その理由は音が劇的に変化するためです。
この練習では是非、鏡を活用して当て方、スクイ方を大いに研究しましょう。

情報を整理する

2016-07-05 22:52:40 | 日記
インターネットで色々なことが調べられるような時代では情報を整理して、多すぎる情報を分析し自分に有益な情報を整理する必要があります。20年前はボイストレーニングについては少ない資料しかありませんでした。今ではインターネットが普及してボイストレーニングには多くの情報があり過ぎるくらいです。少ない経験と偏見に基づく情報は危険で、喉を傷めてしまいます。無理がなく自然な発声で長時間の練習が出来る方法を選択しましょう。短期間で高音が出るという宣伝文句につられないように見極めましょう。
趣味で唄を稽古している場合には短期間で声を出す稽古より曲を理解し、楽しみながら学ぶ余裕があります。舞台で歌わなければならない人は不得意な曲や難しい発声の箇所でも切り抜けられる技術を短期間で身につけねばなりません。専門家はどんな分野においても大変な仕事と言えますが、唄では体が楽器であることを自覚し声の使い方をトレーニングしなければ良い唄にはなりません。
高音を発声するヒントを以下に書きます。

1.十分に表声を鍛えてから裏声の練習をする方が良い。
2、裏声は小さな声で発声する。
3、鼻腔共鳴を心がける。
4、腹筋というよりは背筋を使う方が良い。
5、口の型の切り替えを素早く
6、前もって高音を意識しておく。
7、三味線の音でガイドしながら発声する
8、唄だけで歌ってみる。
9、出来るようになったら高い再現性を目指す。(100発100中が望ましい)
10、喉を傷めないように休みを取り、練習後にうがいをする。

何年、何十年とかかって本物の声や唄に近づきます。焦らず、高音に恐怖心がなくなるまで練習が必要です。