魔法が解けたそのあとで

結婚、出産、育児、介護、お仕事。来た球を打ち返す、毎日のつれづれをつづりました。

涙。

2007-10-07 17:44:45 | 結婚できるかな編
ホテルをチェックアウトして、彼の車の駐車場まで歩いた。

わたしのトランクを引いている彼。うしろを歩いて行くけど、追いつかない。

あまりうしろを気にしない彼。
彼の出勤時間も迫っている。

車に乗って彼の部屋に帰った。

忘れた物を詰めた。

彼は支度をしている。

もうここには来ないかもしれない。

彼の両親の顔を曇らせるかもしれないことを思うと、それがつらかった。
なぜだか、それが一番したくないことだった。

ご飯を作ろう。そう思って、お味噌汁を作り始めた。
涙が、次々に出てきた。
今自分ができることは、ご飯を作ることだと思った。

泣きながら、作った。
何かが変わってしまった。そう感じた。

本当に、次々に涙がこぼれた。
この人にしてあげられることは、今はお味噌汁を作るしかない。

ご飯をよそって、おかずを出して、お味噌汁をよそった。

「ご飯食べよう」と声をかけて、ご飯を食べた。でも涙が止まらない。

彼はようやく気付いた。どうしたの?と聞かれた。

涙が止まらないの。
ご飯食べよう。

何で泣いてるの?

「ちょっと考えたい」と私がいったら、彼は下を向いて溜息をついた。

「なんでこうなっちゃうんだろうな。俺が結婚したいと思った人に、いつもそう言われてしまうんだ」

おーーーい、自分のことかい

とも思ったのだが、わたしは「考えたい」ということに、結婚自体を考えたいということも含まれていたのだが、とっさに彼を悲しませたくないと思って言った。

「結婚を考えたい、というのじゃなくて、ちょっと今混乱しているから、考えたい、ということだよ」

やっと彼は顔を上げた。
彼とわたしは似た者同士なのだ。
だから片方が落ちると、もう片方も落ちてしまう。

正直、彼をはげましたりするのに疲れていた。
もともとわたしはそうポジティブ思考の人ではないから。

でも落ち込む彼の姿を見たとき、彼を悲しませたくなかった。
一緒にいたかった。

強くならなければ。

彼が好きだから。彼のことを、ずっと好きだったから。
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スープ

2007-10-07 17:17:25 | 結婚できるかな編
ホテルに戻った。

彼は寝ている。全然起きねーし…
わたしが出かけたことも気づいてない。

ちょっとばたばたしていたら、目を覚ました。

「ねえ」

寝ぼけている彼に話しかけた。

「どうするの?」

「俺寝ちゃった、ごめんな」

「ねえ、決めて」

「?」

「やめる?する?どっちかに決めて」

そこでやっと彼はことの重大さに気付いたようだ。

しばらく考えて、言った。

「正直言って、すごく驚いた。あんな風に言うのって信じられなかった。

だから、交通事故に遭った時みたいに、心臓がドキドキして、消化できなかった。だから寝ちゃったんだ、もう対処できなくて。食事も終わってからしようと思っていたから、食べてなかった。だから体調も悪くなってしまった。

あんな風にいつも言われるの?」

わたしは小さい頃からずっと、どういうように言われたか、されたか、詳しく話した。
うちの母は特別だとは思わない。頑張って父と一緒に三人きょうだいを育ててくれたと思う。
ただ、あまり普通でない生い立ちがあり、とても偏ったところが時たま顔を出すのだ。

「リツコ、可哀想だったなあ」

まあ、慣れてますから。

「分かった。今回はたしかに俺が悪かった。俺のミスだと思う。これからのことを考えよう」

それから彼はわたしを抱きしめた。

この人に付いて行けるんだろうか?
やめよう、と言ってしまったこの人を、四度目に信じられるだろうか?

昨日の昼からなにも食べていない彼に、何か食べさせようと思って、またコンビニに行った。スープを買ってきて、お湯を沸かした。自分もお風呂に入った。明日は仕事だ。東京に戻らなければならない。

身支度を整えて、少し眠った。30分くらい。
帰る前に一度、彼の部屋に行って忘れた物を取ってこないといけない。
もしかしたら、もう行かないかもしれないから。
少し眠ったら彼が起きた。
スープを飲むように言って、少し寝た。

とても、とても疲れていた。

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