好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

『はじまりの魔女』第12話「初めての脱獄」

2017-03-05 | ゲームブック二次創作
ごはんを食べたら、やる事は一つ。
あたしは牢屋を見張っているカラコルムに声をかけた。

「ここはドコ? 早く出してもらえないかしら」
「ここは、バルサス様の砦の地下牢だ。
ガンジーのオモチャとしてでも呼ばれなければ、出すわけにはいかない」
「それは困るわ。あたし、バルサスに会いに来たの」
「…………!」
「なのに待たせちゃ悪いでしょ。出してくれない?」
「………………」

あらら、すっかり黙っちゃった。バルサスが怖いのかな。
こうなったら、ここは魔法で切り抜けよう。

「《目くらまし》の術よ――!」

解放された魔力が幻覚を創り出す。
カラコルムのそばに、ネズミが走り寄った。
ちょっと大きさが不自然で、猫っぽい感じになっちゃったけど、効果はテキメンだった。
カラコルムはまさに悲鳴をあげて、がくがくと震えている。

「ねえねえ、ここから出してくれたら、助けてあげてもいいよ?」
「た、た、たん……!! たっす、たっけて、たすける……!」

何言ってるか分かんない言い回して、カラコルムは鍵束をこっちに投げてきた。
あたしは牢を出ると同時に全速力で走り出した。
幻覚は時間が経てば消えるから。もう少しだけ、ごめんね!

この記事についてブログを書く
« クラフトバンドで籠を作る。 | トップ | 読書という名の殺人行為。 »

ゲームブック二次創作」カテゴリの最新記事