豪州落人日記 (桝田礼三ブログ) : Down Under Nomad

1945年生れ。下北に12年→東京に15年→京都に1年→下北に5年→十和田に25年→シドニーに5年→ケアンズに15年…

国家アイデンティティーとしてのギリシャ正教

2001-10-16 21:04:36 | 海外旅行
10月16日(火) 快晴

パルテノン神殿

港町ピレウスから首都アテネまでタクシーで30分。教科書で習った超有名な遺跡は1度は行ってみる価値はあります。イメージ通りだと安心できるし、時には期待外れでがっかりします。それでも永年の誤りに気付いて良かったなどと、自分を慰めたりします。ところで、紀元前に建設されたと記憶していたパルテノン神殿には足場が組まれ、巨大なクレーンが動いていました。まだ工事中だったんですね。

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国家アイデンティティーとしてのギリシャ正教

単独行動でピレウス市内観光。市場と教会を見学した後、豪華ヨットの多数停泊するゼア港を散歩。武花はH子、スタッフのY子と下船。H子の母堂が今夜アテネ入りする。明日3人を日本行きの飛行機に乗せた後パリ経由で再度合流の予定。20:00ピレウス出航。

多民族国家のギリシャのアイデンティティーは宗教である。ギリシャは世界で唯一正教を国教とする国家である。ギリシャ正教の総本山はローマ、バチカンにあるのではなく、名目上東ローマ帝国の首都だったコンスタンチノーブル(イスタンブール)にある。900万人の人口の95%以上がギリシャ正教徒だ。

ギリシャ正教は、聖書を重んじたりするよりも、日常生活の中で神との対話をしたり、教会や自宅のイコン画のマリアやキリストを祈ることの方が多い。神秘主義的印象が強いが、ユダヤ教やイスラム教徒異なり、タブーもなく、僧たちも妻帯している人が多い。異教徒が教会に入ってくることも、ほとんど拒まない。教会は宗教的な場というよりも、ギリシャ人の精神的な故郷と言ったほうが良い存在だ。

信仰心の厚いギリシャ人にとって、年間最大の楽しみは、クリスマスよりも、キリストが死後3日たって復活したことを祝うイースターだ。他のキリスト教の国々では3月に祝うイースターが、ギリシャでは4月の第2週になることが多い。日本のお盆か正月のように、国中が休暇を取り、故郷に戻って、家族や友人との再会を喜びあう。豪華な食事で、1年間の無事と豊かな実りを祈る。イースターにつき物は、特性のパンと赤く染められたゆで卵、イースターエッグだ。街のあちこちで卵の頭をぶつけ合って祝う習慣がある。



読書「チャイナ・タウン」 S・J・ローザン

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