豪州落人日記 (桝田礼三ブログ) : Down Under Nomad

1945年生れ。下北に12年→東京に15年→京都に1年→下北に5年→十和田に25年→シドニーに5年→ケアンズに15年…

緑の衣をまとった砂漠

2001-11-02 21:35:15 | Weblog
11月2日(金) 快晴

丸刈り1ヶ月記念写真

船内では色々の自主企画が行われています。中にはよくわけが分からない企画もあります。「この機会に坊主に挑戦!」というのも理解できなかったですね。女性が丸刈りに挑戦して、万一失敗だとしても船上なら被害が最小限で済む、という理屈らしいのです。だからなんだと言いたくなります。まあ堅い話は抜きにして、少し髪の伸びた女性とツーショット。坊主は頭が小さくないと似合わない、というのが結論でした。

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緑の衣をまとった砂漠

熱帯雨林には、アマゾン流域やボルネオなどの閉鎖林と、アフリカのサバンナに代表される開放林がある。ここでは前者を取り上げる。

熱帯雨林は一年中高温多湿なために有機物の分解が考えれれないほど急速に進む。枯れて地上に落ちた木の葉や枝、動物の死骸などは微生物によって瞬く間に分解される。こうしてできた養分は土壌にではなく、樹木自体に蓄えられる。このため熱帯雨林の土壌は地上の外見からはとても想像できないほど貧弱で、比較的養分のあるやわらかい表土はほんの数センチしかない。その下は岩盤や粘土質の固い土である。熱帯雨林が「緑の衣をまとった砂漠」と言われる所以である。

この薄い表土を保護しているのが、高木、中木、低木の三層からなる森林である。木を切ってしまうと、表土は熱帯特有の強烈な雨によって川に押し流されてしまう。

雨と同様に太陽光線も日本とは比較にならないほど強烈である。特に乾季はその傾向が著しく、日傘の役割をしている木を剥ぎ取られて、むき出しになった土は焼かれてレンガのようにカチカチに変わる。こうなったら木を植えることも困難である。

熱帯雨林の破壊と減少は、木材の伐採、農業開発、牧畜が三大原因で、他に採鉱、、ダムや道路の建設、戦争を上げることができる。以前は、原住民の焼き畑農業が槍玉に挙げられることもあったが、国連環境計画の調査では「焼畑は自然や環境に無害」との結論であった。広大な熱帯雨林を切り開いて単一作物を植えるプランテーションと違って、原始的な焼畑は畝を作らず、農薬を使用せず、森林を循環使用するので、熱帯の生態系に最も適したやり方であるのだ。ピースボートではいまだに旧来の「焼畑有害論」を取っているが、認識を改める必要がある。

熱帯雨林の破壊と減少は、河川の汚れ、動物や魚の減少、洪水、干ばつなどの局地的な影響にとどまらない。地球規模で、異常気象、炭酸ガスの増加による温暖化、種の絶滅などの問題を抱えている。



読書:「熱帯雨林」

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