「24年間、無断欠勤でも解雇されず」インドは“世界一”労働者に優しい国か…日系企業に立ちはだかる“岩盤規制”
1990年12月以降、約24年にわたって無断欠勤を続けてきたインドの公務員の男が今年1月、解雇された。男は無断欠勤の一定期間、給料を受け取っていたという。すでに国外に姿をくらまし行方知れずだ。こんなでたらめがまかり通るのはインドの労働法のおかげ。世界一厳しい解雇規制があるとされ、最終的に担当大臣が命令を出すまで解雇できなかった。過剰に保護される公務員。もっとも身内に甘いのはどこの国も同じかもしれないが…。
公務員は圧倒的に安定した職業
解雇された公務員の男は電気技術者のA・K・バーマ氏。1980年に都市開発省中央公共事業局にアシスタント・エグゼクティブ・エンジニアとして入局した。ところが、入局から10年後に休暇を取ったまま、二度と職場に戻ることはなかったという。
米CNN(電子版)によると、当局が問題職員の懲戒処分が保留になっているケースを再調査したところ、バーマ氏のケースが浮上した。
バーマ氏は90年12月以降無断で欠勤。当局は92年の労務規則に基づく調査でバーマ氏を「意図的な欠勤」と認定していたが、そのまま放置していたという。結果的に、バーマ氏は無断欠勤中の24年間、同事業局に籍を置き続けた。
バーマ氏が在籍した部局の幹部は「90年代には給料の支払いを打ち切った」と語ったが、無断欠勤の一定期間中も給料が支払われていたことを示唆。すでにバーマ氏と連絡は取れない状態で、この幹部は「インド国内にはいない」と述べた。