【ほんの一言】
「艶笑噺というのは、その国の文化の伝統であると思うんです」と、CD
の解説に米朝師匠は記されます。
わたしゃ文化の伝統とまではよぉ言ぃませんけど、
この世に♂と♀がある限りこの種の噺は絶えることがないでしょう。
閨房の営みは嫌いではないけれど、この手の噺は御免。
という方はここから先お読みにならない方が心の健康上よろしいかと思います。
また、小ヒネたガキがニヤついて読んでる図というのもゾッとしませんので、
一応12禁、小学生以下禁止ということにしておきます。
経験上、中学生ともなれば常識の範疇ですし、もっときわどい情報が昼夜
問わずテレビ・ラジオ、そしてネットの世界から入ってきますので、あえて
18禁とはいたしません。逆に「話芸」というオブラートに包んだ大人の感覚
を身に付けてもらえれば17歳問題も無くなるのでは?
それと、艶笑噺は時と場所、そして何より語り手の技量を要します。
出来心で披露しようとお考えになるのは結構ですが、
くれぐれも滑らないようにご注意ください。
もしダダ滑りに滑っても、それは「米朝艶笑噺」の責任ではありません、
全て自己責任でお願いします(2001/03/18)。
* * * * *
【年の始め】
え~、今日はちょっと色っぽいお噺を聞ぃていただきます。やはりはじめ
は「年の始め」といぅ初春のお噂からですが。
お正月に、床の間に蓬莱・島台、鶴亀、尉と姥(じょ~とんば)、松竹梅、
めでたいものを飾ります。
鶴は千年、亀は万年、松に竹に梅、ジョ~トンバの人形。
これ、お爺さんとお婆さんがホ~キとクマデ持ってます
「お前ハクまで、わしゃ九十クマデ」といぅんやそぉですが。
その前で若夫婦が布団を延べまして寝てたんですが、やっぱり若いさかい
ね、寒さにもめげず始まりだした。
それをジ~ッと見てたのがジョ~トンバで、
■なぁ、お婆さん
●何じゃいな?
■見てみ、若いもんといぅものは元気がえぇ
なぁ。この寒(さぶ)いのにあんなことやってるがな……、
あんなん見てると、わしも何じゃおかしな気になってきたがな。
もぉちょっとこっち寄りぃな。
●何をすんねやいな、嫌らしぃ
■何言ぅてんねやいな、お前とわしと、誰に
はばかることありゃせんがな、昔を思い出して……
と、ジョ~トンバがゴジャゴジャやりだす。それをジ~ッと見てた鶴と亀
が、
▲なぁおい、若い者は元気がえぇなぁ。