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「仁王様、杭盗人」春風亭一之輔

2014年12月22日 | 落語・民話

「仁王様、杭盗人」春風亭一之輔の場合

 

お客様がいるから、我々の商売が成り立つ、こういうことになっておりまして、...。
ま、商売にもいろいろございます。
落語の方に出てくる商売、いろぉんな商売がございます。
うー、ですが、ちょっと、変わったところで、... 泥棒なんてのがある、泥棒。
これ、ま、商売と言いますかね、なんと申しますか、うぅ、趣味と申しますか、
えぇ、泥棒なんでございますねぇ、泥棒。
我々は、こう、落語、泥棒のお噺をよくするんですが、
どういう訳かというとぉ、縁起を担いでんですね。
お客様の、この、懐に飛び込もう、という縁起を担いで、泥棒のお噺を、
いろいろとするんでございます。
泥棒のね、噺といってもね、長い噺もあれば、短い小噺もございます。
なんだか、よく分からないのもあれば、
うーん、なんだなぁ、こらぁ、古いねぇ、とか思うようなのもある。
でも、我々、古典落語を商売としておりますから、いろんな小噺をしますが、
いくつかあるんですけど、試しにやってみますんで、...。
おもしろかったら、笑ってください。
おもしろくなかったら、なんかね、拍手ぐらいしてください。
そんなもんで結構ですよ。

こら、昔でございましてねぇ。
浅草の観音様、あそこに泥棒が入ったなんて話がございまして、...。
参詣人も多いですから、さぞかし、お賽銭も多かろうてんで、
昼間のうちに当たりを付けておいて、夜陰(やいん)に乗じて忍び込みまして、
賽銭箱を叩き壊す。
「ありがてぇ、こんなにへぇ(入)ってたか。」
どっこいしょ、背負(しょ)い込みまして、この泥棒、
裏から逃げりゃよかったんですが、根が間抜けでございまして、
表をトコトコ、トコトコ、トコトコ、トコトコ、歩き出した。
あそこは、仁王さんが番をしておりますからね、黙って通す訳がない。
「野郎ぅっ、俺が居るのを、なんだと思ってやんでぇ。
 どうするか、みてろっ。」
ってぇと、泥棒の襟首、掴(つか)まえて、パッっとさし上げて、手を離す。
バーン。
四つん這いになったところを、あの、仁王様の大きな足でもって、ひとつ、
ブゥーッっと踏んづけたもんですから、たまらない。
ちょいと、汚い話ですけど、泥棒、お腹が突っ張ってまいりまして、
大きいやつを一発、ブゥゥーっと、...。
「クッカッカッカククカッカ、くせぇぇものぉぉ。」
(お客の大きい笑い)
「へへっへっへへ、におうか。」
(お客の小さい笑い)

あの、「におうか」で笑ってもらいたかった。
(お客の小さい笑い)
いいんです、いいんです。
好きなとこで笑ってください。
よくあるんです、よくあるんです、この噺はね。
「くせぇものぉー、ドーン。」
「におうか。」
シーン。
あるんです。
(お客の大きい笑い)
なんかねぇ、今、凄い受けてるなぁ嬉しいんですけどねぇ。
なんか、トイレ入って、お尻拭かないで出てきちゃったみたいな、
なんか、複雑な心境なんですねぇ。
うーん、ま、分かりやすいお噺ですよ、今の噺なんてのはね。
えー、曲者、匂うか、なんてところ。
地口(じぐち)と申しまして、まぁ、早い話が掛詞(かけことば)というか、
駄洒落みたいなもんですねぇ。
これぁ、あの、日本独特の、日本語の文化というところのものですけど、...。
なんなら、よく分からない小噺もあります。
なんだろう、これっ、何なのっ、やってて思うんですねぇ。
試しにやってみます。

夫婦がおりまして、寝ております。
ガタガタ、ガタガタ、台所の方で音がする。
泥棒が入った。
「お前さん、お前さん。
 台所で、ガタガタ、ガタガタ、音がすんだよう。
 泥棒じゃないかい。」
「えー、そうかい。
 あー、確かに、音、するけどなぁ。
 あれ、泥棒じゃねぇよ。
 鼠(ねずみ)だよ。」
泥棒、仕方なく、
「チュー、... チューチュー、... チュー。」
「ほら、鼠だよ。」
「鼠じゃないよぉ。
 もっと大きいよう。」
「猫かい?」
「ニャァーゥン、ニャーン。」
「ほら、猫だ。」
「猫じゃないよう。
 犬じゃないかい。」
「ワンッ、... ウゥー、ワンッ。」
「え、犬だ。」
「犬かねぇ。
 もっと大きいんじゃないかねぇ。
 馬じゃないかねぇ。」
「ヒッヒヒヒヒヒィーン、ヒィヒヒヒヒヒィ。」
「馬みてぇだなぁ、ありゃ。
 もっと、大きい気がするけどなぁ。
 牛じゃねぇか、あらぁ。」
「ンーンー、ンー。」
「ほら、牛だ。」
「牛かねぇ。
 もっと、大きい。」
「象かな。」
「象っ?
 バタバタッ」
表へ飛び出した。
庭に池がございまして、これをグルグル、グルグル、
おっかけっこしてたんですが、しょうがなくなって、
泥棒、池ん中へドブーンと飛び込んだ。
「お、おぉ、泥棒だ、あの野郎。
 しょうがねぇな、池へ飛び込んじまったよ、おい。
 おっかぁ、こっち来い。」
「えぇ。」
「あの松の枝の下な、影が出てんだ、あれ。
 泥棒かな、薄っ暗くって分かんねぇ。
 泥棒か、あら、杭(くい)か、杭か、泥棒かな、ちょっと分かんない。
 おいっ、物干し竿持って来い。
 これで確かめてやる。
 この野郎、ほんっとにぃ。
 泥棒か、杭か?
 杭か、泥棒か?」
ってと、泥棒が、
「クイクイッ、クイクイクイクイクイクイ。」
なんだか訳分かんないでしょ、これ。
でも、やってて楽しいんでございますねぇ。
なんと申しますか、自分でも、よく分からなくてやってるんですけども、...。


「杭盗人」がよく分からなかった方のために、念のために、解説しますと、

ようは、杭の泣き声のようなものを泥棒は表現したかったということです。

 

 

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