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詠里庵

今週の一曲

2005-11-13 00:21:59 | 詠里庵・新着案内
を更新しました。元ページはここ。直接聴きたい場合はこれをクリック。編曲モノですが、原曲を知っている人も知らない人も、こりゃ一体何じゃ?と思われるかもしれません。

先週の一曲はショパン前奏曲集作品28から第3曲ト長調と第4曲ホ短調でした。

7月24日と8月21日ブログで試みたコルトーとのイメージ比較の続きをしてみましょう。

第3曲ト長調
 私   :「草原を駆ける馬と笛吹く牧童」
 コルトー:「小川は歌う」

サラサラ川が流れるように弾ける人の発想は違いますね。

第4曲ホ短調
 私   :「エレジー:止められない下降」
 コルトー:「墓の傍らで」

これはあまり違わないですね。

ところでこの録音は1989年12月11日キネブチピアノ小ホールで開いたミニ音楽会のライブ録音です。このホール、大ピアニスト達がこぞって指名したピアノ調律師として著名な故杵渕直知氏が鷺宮に設けたショールーム兼小ホールで、プロやアマの音楽家達の仕上げ練習や本番の場所としても名が知られていました。私が練習に借りたとき、直前に練習していたフルートの小出信也とすれ違ったこともありました。N響での黒い服装しか見たことなかったので、ジーンズにセーターといういでたちが新鮮でした。ベーゼンドルファー、スタインウェイなどのピアノやチェンバロが置いてありましたが、この録音はスタインウェイだったと思います。若干記憶が不確かですが。

キネブチピアノ、その頃は奥さんと娘さんが経営していました。現在はもう無いと聞きます。その後の消息を知りませんが、どうされているのでしょうか。世界に誇る日本のピアノ技術界に貢献した人たちが報われる世の中であって欲しいものです。

話はそちらの方に流れますが、草思社の「日本のピアノ100年-ピアノづくりに賭けた人々」は二人のジャーナリストが書いた労作。徹底した調査とインタビューに基づき、これらの人々に半分情が移っていながら、ジャーナリストならではの冷静な俯瞰的分析も忘れていない力作だと思います。日本はピアノを弾く人・聴く人だけでなく、作る人・調律する人の情熱も交錯して独自のピアノ文化が築かれた希有な国だと思います。つくづく幸せな文化の地に生まれたものです。
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