詠里庵ぶろぐ

詠里庵

今朝の「おはよう日本」の話題で

2020-10-10 16:43:59 | サイエンス
シマアオジという絶滅危惧鳥のコーナーがあった。ホオジロ科の鳥でスズメを少し太らせたような格好だが、英名をyellow-breasted buntingという通り、胸が黄色いところが違う。
 話題は北海道でシマアオジを調査している人の取材に始まったが、近年特に激減しているという。そのことが、北海道地図に示された生息地スポットが年ごとに消えて行く様子で示され、今は残り数ヶ所も消える寸前だ。
 北海道の自然は豊富だろうに、なぜ絶滅危惧?と思って見ていると、実はシマアオジは繁殖期の夏だけ北海道で過ごす渡り鳥ということだ。では冬はどこに行くかというと、中国南部あたりだと言う。スズメのような小鳥なのに、随分遠くに渡るものだ。

 そこで地図をひと跨ぎして、場面は中国南部の料理店へズーム・イン。そこではシマアオジの丸焼きが供されている。ちなみにメニューに黄胸鹀とあるのを私は見逃さなかった。意味的には英語に近い。いや、英語圏では見ない鳥だろうから、中国語から英語に訳されたのかもしれない。
 それはともかく番組では、要は、その地域でシマアオジが乱獲されていることによって絶滅に向かっているというのだ。それが北海道で観測されているのか。これは早晩絶滅を免れないな、と諦めて話題終了かと思ったら、さらに場面は料理店がシマアオジを仕入れる野生動物市場へ。

 これは何かもうひと捻りあるなと思って見ていると、今般の新型コロナで中国が野生動物の売買を禁止する措置をとったことが語られた。
 最後は野鳥保護団体による「このことによって、すんでのところでシマアオジは絶滅を免れると予想している」という嬉しそうなコメントで終わった。

 なかなか地理的スケールの大きい取材で、人間が罹る新型コロナで鳥の絶滅が止められるという因果関係も分野横断的スケールで、気持ちよく予想を裏切られ続けた内容だった。
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