とは日本のエイプリルフールのひとこまでしたが、彼の地ではThe New York Timesに
A Quantum Theory of Mitt Romneyという記事。アメリカの量子情報の研究仲間から教えてもらいました。これを読んだときは吹き出してしまいました。
いまやっている大統領選の共和党予備選挙候補ロムニー氏が哲学もなく言うことをコロコロ変えるのを皮肉った記事ですが、テレビに映ったロムニー氏の絵を出して、
Fig. 1: The famous “Schrödinger’s candidate” scenario. For as long as Mitt Romney remains in this box, he is both a moderate and a conservative.
と解説。記事によればロムニー氏は史上初のquantum politicianで、二状態のどちらかであるのでもなく、二状態をかわるがわる取るのでなく、「同時に二状態にある」のだそうです。他にもcomplementarity、probability、uncertainty、entanglement、noncausality、dualityなどの言葉の意味を、ロムニー氏の言動を例に説明しています。たとえば観測行為はその結果と無関係ではないと言って
「More precisely, Mitt Romney will feel every possible way about an issue until the moment he is asked about it, at which point the many feelings decohere into the single answer most likely to please the asker.」
など。
またこの記事を読む副産物として、1960年以降のアメリカ人はほとんど「Etch A Sketch」なるお絵かきおもちゃで遊んだことがある、などということを勉強したりしました。
しばし楽しんだあと・・・しかし、徐々に背筋が寒くなるのを感じました。
それは何か?
こんなジョーク記事、日本ではまだ到底あり得ない。政治家の言動のいいかげんさを皮肉るのに量子力学や量子情報科学の言葉を駆使するなんて。サイエンスに興味を持つ人口比率が欧米と日本で非常な差があるというのは本当なんですね。The New York Timesではどこかの1ページにこんな記事を紙媒体で発行するのを許すんですね。(具体的には A version of this op-ed appeared in print on April 1, 2012, on page SR4 of the New York edition with the headline: A Quantum Theory of Mitt Romney. だそうです。)
NHKとThe New York Timesの差を見せつけられたエイプリルフールでした。