不条理み○きー

当面、きまぐれ一言法師です

中華街

2004年09月03日 02時28分46秒 | Life
 疲れて帰ってきて、木曜の楽しみ、「東京Vシュラン」で「豚の角煮」をビデオで見てから、ぼおっと風呂に入っていたら、横浜の中華街に行きたくなった。

 私が会社に入って関東に出てきて直ぐ、当時、横浜に住んでいた伯父に連れられて中華街に行った。
 その時の私は、「真のオノボリサン」状態だったので、横浜に中華街があることは「噂」で知っていただけで、どんなところなのか全く知らない状態だった。

 「中華街」といえば、学生時代に貧乏旅行で長崎のそれには行ったが、そのときも、同行者と兎に角「ちゃんぽん」と「皿うどん」を喰いまくった思い出しかなく、「横浜中華街」の名物が何なのか、知る由も無かった。
 まあ、明らかに「中華街」の理解を間違っていたのだけれどね。

 煌びやかな店が並ぶ表通りをきょろきょろと見回している私を、伯父はちょっと奥まったところの店につれて行った。
 そのときは、あまり大きな店ではなかった記憶があるが、その店の周辺は、ちょっと中国的な日本ではない「異世界」の雰囲気を醸し出していた。
「地元の人もよく来る店だから、うまいぞ。何でも喰え。」

 伯父に進められてメニューを見たものの、中華と言えば「ラーメン」と「餃子」「チャーハン」鹿思い浮かばず、よおく考えると、ああ、「酢豚」「エビチリ」「麻婆豆腐」もあったなぁ程度だった私には、その漢字中心のメニューでは、何がなにやら解らなかった。

 必然的に、私は無難そうな「麺類」のところを探すのであるが、そこも「とんこつ」一本だった私には未知の「肉旨煮麺」とか「タンメン」等しか並んでおらず、困惑の度は深まるばかりであったのだが、不意に私は、壁に張ってある「排骨麺」という写真をみつけた。

 うまそうなしょうゆラーメンに、たゆたう大きな「排骨」(当時は、それが排骨だとは知らなかったが)は、多少知らない物ばかりでパニックになっていた私の目を引き付けて離さなかった。
「ぢゃ、あれで」

 私は、迷うことなく、その「排骨麺」を注文した。
 伯父は、ちょっと戸惑ったようだった。多分、「エビチリ」とか「青菜炒め」のような料理をご馳走する気だったのだろう。
 他にもあるぞと、声をかけてくれたが、既に「排骨麺」以外が、Out of the Ganchuに成っていた私は、頑として譲らなかった。

 そのときが、私と「排骨麺」の出会いであった。
 しょうゆ味のスープに浮かぶ、ちょっとカレー粉の効いた「排骨」が、非常にうまくて、「なるほど、横浜中華街にはこんな名物があるのか」と感心したほどである。
 もちろん、それは、ある意味間違った認識であったし、^^;その後、「うまい」排骨麺には、なかなか出会えないのだ、と言うことも思い知ることになるのだが、その意味では、私の「横浜中華街」の印象は、非常に良いところからスタートしている。

 実は、その店は、「伯母」さんの姉妹が嫁いだ先がやっている店で、その後、中華街でもそこそこ有名になったらしいのであるが、控えめな伯父は、何も説明しなかったので、私はいまだにその店の名前を思い出せない。

 その伯父も、残念ながら10年ほど前に鬼籍に入ってしまい、私も伯父が私を中華街に連れて行ってくれた年齢に近づいているが、いまだに「中華街」の店に入ると、ついつい「排骨麺」を探している自分が居たりする。
 そして、懐かしい味に出会うことよりも、味が違って失望することを恐れて、「えび蒸しシュウマイ」とかを頼んだりしてしまう。

 でも、本当に私が中華街でしたいことは、あの伯父に案内してもらった路地を求めて、ブラブラと散歩することなのであるが、少ない休日に中華街に出かけても、慌しい時間と大変な人ごみに振り回されて、私のささやかな夢は適わないままである。

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