認識の不一致

　　人に「くすぐられる」と、思わず笑ってしまうのに、自分で「くすぐる」分には、おかしくも何ともないのは、他人からくすぐられるのは、「もっと大きな刺激」を予想しているのに、予想に反して、非常に小さな刺激が与えられる為、その差異に笑ってしまうのだと言う。

　最近、「ZENTAI」に関するTV特集がいくつか組まれる中で、よく取り上げられる「すりすり」という行為も、若干それに似ている。
　「すりすり」とは、「ZENTAI」を纏った者が、自分の、あるいは同様に「ZENTAI」を纏った者の触る事で、「官能の世界」へと没入する「儀式」(?)である。

　「頭」は、これから触る「ZENTAI」を来た人物からは、通常の「生地」の感触を予想しているのであるが、その「感覚器」たる「手」自身も「生地」を纏っているので、そこから伝わるのは、「人形」を触るような感触のみで、「人」を触っているとは思えないものである。
　しかし、その「触っている相手」は、触る事で、意識し、うごめき、ついには「喘いで」しまう。
　そのとき、やはり、「頭」と「からだ」の認知レベルに差異が生じるので、その「触感」は、「未知の快感」に思えるのである。

　実は、この「感覚」は、意外に簡単に「体験」できる。
　「ZENTAI」を用意する必要もない。
　「ストッキング」に両腕を通して、それぞれの腕を触ってみるのである。

　「好き」・「嫌い」はあると思うが、これだけで「ZENTAI」すりすりの感触は味わう事が出来る。
　ストッキングを着用する場所を「手」「足」「胴」と広げていけばこの感覚は、比例して、いやそれ以上に増殖していく。
　彼女に協力してもらって、彼女のスト足をすりすりさせて貰うと、これはこれで、また別のエラーを脳が起こしていることを実感できる。
　その「エラー」が、全身に広がったのが、「ZENTAI」なのである。

　「へえ」と思った方、一度、「ストッキングすりすり」をお試し有れ。
　ただし、はまってしまって、その後の人生が変わっても保証の限りではない。^^