ぷるコミチ

だって。
同じ景色が見たいんだ。

帰宅したら熱を出し、腎炎で入院寸前までいったくらいの話。

2018-12-03 12:45:29 | 日常
気球を、観に行った。

去年、毎年のように顔を出す関西のイベントへ向かう高速道路を運転しながら数えきれない気球が飛んでいるのを観た。
色とりどりのそれを、ちょうど渋滞するジャンクションをのろのろと走りながら、観た。
国際的な気球競技が開催されているのだと、後から知った。

「来年は、あれを観に来られたらいいなぁ」

とりわけ気球が好きなわけではないけれど、なんだか、漠然とそう思った。
疲れ切った頭は回らなくて、とりつかれたように繰り返す毎日に希望はなくて、その日の事さえわからない状況だったのに。
日常とかけ離れたカラフルな気球の姿は、少しだけ私の希望になった。

いつからだろう。
「来年は元気になってあれを一人で観に行けるようになろう」
という目標になったのは。
きっといろんなことを片付けてい行く中で、私の支えのような、自分を労うための物のような。
せめて一年は生き切ろうという意思のような、そんなものだった。

直前まで迷いながら、夜明けを待たずに一人で車に乗り、下道をひた走ってたどり着いた会場は、見晴らしの良い河川敷だった。
地元の人たちが屋台を出していたり、子どもたちがサッカーをしていたりする。
けれど、気球は飛ばなかった。
よくよく調べてみると、去年私が見たのがかなり奇跡的な光景だったようで、毎年強風の為に競技が中止してしまうらしい。
「気球を観に来たのに」
とは思わなかった。
コートを羽織って、にぎやかなところを避けるように一人で河川敷を歩いた。

私は、私がしたいと思ったことができるんだ。


そう、じわじわとした実感が湧いてきて、気が付いたら泣いていた。
ほぼノーメイクのアラフォーが、子どもたちの吹いたシャボン玉にまとわりつかれながら、泣いているのは恐怖の光景だったに違いない。
でも。
一人で新幹線に乗ってお芝居を観る。
観たい特別展の為に特急列車に乗る。
モーニングを食べる。
派遣登録をする。
会いたい人に会う。
今年、自分で自分のためにいろんなことをしてきたけれど、一年前の自分との約束を守れたことで、すべてが完結した感があった。
もう、私は自分を取り戻したのだと思う。
ぺしゃんこになった自尊心も、動かなくなった頭も、粉々になった自己肯定感も、すべて。

一年前の私に誇りたい。
こんなに、元気になれる。


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