多面体F

集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」

建替え休業に入る八重洲のふくべ

2022年01月15日 | 居酒屋・銭湯紹介

八重洲のふくべの記事を書いたのは2011年3月だったので、もう11年も前になる。いい店なので、その後も何度か訪問したが、最後は2年前の暮れだったはずだ。そしてふくべが建替えのため一時休業すると聞いたのは昨年末のことだった。食べログ東京の店のサイトにも「1月28日(金曜日)に一度店を閉めさせて頂きます。令和4年12月に新しいふくべが誕生します」とお店からの大切なお知らせとして掲載されている。
建替えと聞き、一筋北の永代通りの北は日本一の高層ビルが建ち、茅場町まで金融街にする特区再開発計画があるとも聞いているので、その影響かと思った。しかしどうやらそういうことではないらしい。このビルは築58年なので、おそらく耐震基準などの事情で建替えざるをえなくなったのだろう。
ただ、黒ずんで風格を感じさせる壁を二度とみられなくなると思うと寂しい。

風格を感じさせる壁はもうみられなくなる。右上に菊正宗の額
雪が降った翌日、伺うことができた。開店が16時と早いので16時20分くらいに入ったときは客数人だったが、みるみる混み始め、17時半にはほぼ満席、電話で予約を断っている声が聞こえた。厳寒かつオミクロン禍でも、やはり人気店である。
ただ燗漬け名人のご主人は脳溢血だったかで倒れリハビリ中らしく、息子さんが代わりを務められている。元サラリーマンのご主人の柔らかい口調が気に入っていたので、その点はとても残念だが、自分も含め人は平等に年をとるのだからいろいろある、仕方ない。
今回は入口を入って右のテーブル席に座った。

大きなひょうたんと右上にひょうたんの束
棚に大きなひょうたんが置かれ、小さなひょうたんの束が吊り下げられていることに気づいた。もちろん店名「ふくべ」の由来だが、元の店が酒屋だった名残りかもしれない。横の大きいサイズの瓶は櫻正宗だったが、この店の名物が菊正宗の四斗樽だったことも思い出した。菊正の樽酒を置いているのは関東に数軒しかないと宣伝していた。持ち帰り用の樽酒もあり500ml入り2000円とのこと。

ふくべ特製の徳利と箸袋
コロナ禍のせいで、人と飲むのは久しぶりだったので、つい話に夢中になり肝心の料理の写真を撮り損ねた。冬なのでおでん、厚揚げ、刺身、蟹などを食べた。いずれもおいしかった。以前お勧めは、おでん、クサヤやあじなど魚の干物、そして〆さばと教えていただいたが、今回は干物は食べていない。

4軒並びの低層ビルは見納めだ。
帰り際に、建替え後の店のことを少しだけお聞きすることができた。規制がいろいろあり、あまり高くはできないが、1フロア増え4階建てになる。収容人員は当然増える。ただカウンター席は10席から7席に減るそうだ。あの名物の燗銅壺というのか、燗を漬ける器具を使い徳利をくるくる回す名人技を眺めながら飲める人は7人に減るので、カウンターの争奪戦が激しくなるかもしれない。
きっと料理や酒はいまのままであることを期待するが、新たな一歩として何か付け加えられものもあるかもしれない。1年後の再オープンが待たれる。

●アンダーラインの語句にはリンクを貼ってあります。


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